日本が世界に誇りうる固有の文化財である絵巻物は、単に見るものを楽しませてくれるだけではなく、いまや歴史や文学の資料としても欠かせられない。本書は、著者の絵巻物体験をもとに、絵巻物の多様性を語りながら、改めて絵巻物とは何か?を問う。“絵巻学”の入門書である。
昭和の風雪に耐え、獄中から旅先から、最愛の妻と肉親にあてて書き綴った、人間中野重治の愛と感動の書簡集上巻。蜜月1か月で拘引され、治安維持法違反の未決囚として豊多摩刑務所に収監されていた当時の獄中書簡を中心に、昭和5年から9年までの168通を収録。
人間が生きていくために、森はなくてはならない。大昔から人間は、生活に必要なモノを森でえてきた。木材、燃料、食糧など、どれも人間生活にはかかせない。生活環境に影響する空気、土地、水、気候なども、森なしにはまもれない。森は自然そのものである。森をみつめると、自然のなりたちをかんじとることができる。人は森をつうじて自然と会話をすることができる。「森があって、わたしたちがいる。わたしたちは森ともっとなかよくできるはずだ。」
愉快で意外な化石の世界。化石の魅力、化石がひらく夢とロマン、日本の代表的化石産地案内、化石採集の方法など、精緻なイラスト入りで、初心者から専門家まで読んで、見てたのしい化石ガイドブック。
本格的金融先物時代の先駆けとして期待される新取引・大証株式先物50の仕組み、利用方法等を詳述するとともに、米国の現状並びに今後の金融先物取引の展望をも解明。
ザリガニやおたまじゃくし、メダカやサワガニなど、川や池の場所ごとの環境に適応してくらすいろいろな生きものの様子を紹介する。
本書は生物学及び生態学と産業論、企業論とのアナロジーを通して、産業の盛衰や企業活動の諸法則をとらえ、もって、産業や企業の進むべき方向を探ることに狙いをおくものである。
妻の転地療養、愛娘の誕生、父の死、入営、敗戦、議員生活。-夫として父として子として、愛する者たちへ宛てて心開いて書きつづけた、人間中野重治の感動の書簡集。下巻は昭和10年から昭和25年までの331通を収録。
私の所属する“組織”が何かを私は正確には知らない。知っていて忘れたのか、知らされていないのかも今となっては不明だ。私が知っているのは、その“組織”が時間を超越した存在であり、宇宙の時間と空間の秩序を混乱させる可能性を排除するために作用していることだった。未確認航路偏光物体クロウ、存在しているのに存在しない宇宙船の5人目の男、情報を食料とする生命体…etc。私は宇宙船に乗るエネルギー収支アナリストとしての活動の裏でこれらと激しく戦って来たのだ。そして今、ペルセウスの腕とオリオンの腕の中間の星系に奇妙な物体が現われた…。-ハードSFの鬼才堀晃の最新宇宙恐怖物語。
『往生要集』は地獄の恐ろしい諸相を克明に描き出し、極楽を指し示して、念仏信仰へと導く希有の宗教書である。現代に地獄の様相を見る著者が、この古典の世界にこめられた精神的遺産を解き明かしながら、今日を正しく生きぬく力を再発見することを説く。