オケの自主性を大切に扱いながらひとつ上の世界へ巧妙に引き上げる、集団的音楽創造の面白さがあふれ出るほどに楽しい。88年まで長くRCOの音楽監督だったハイティンクの音楽づくりに共通するものを強く感じさせられる演奏なのはオケのDNA? 録音面でも特質を良く捉えた。
キリの良い数字が受けてか、売れているもよう。価格対時間比でのコスト・パフォーマンスといい、一通りのジャンルを網羅する物量といい、お徳用と言うしかない。オペラ・アリアが充実しているので、アリア名曲集として買うのもありな内容。解説もまずまず○。
ブームは未だ続いていると見えて、またもやグレゴリオ聖歌のアルバムである。といっても録音は69年と古い。演奏としては、どれも粒が揃っており、正に聖歌の模範的歌唱といえるだろう。曲順も教会の暦に添って整えられているから、なおさらだ。