ある日、森へひるねにでかけたダヤンのまえに、ゆめをたべるというばくがあらわれました。「やっぱりダヤンのゆめがいちばん。みたこともない、きいたこともない味。いちどたべたらやめられない。」そんなふうにばくにいわれて、ダヤンはすっかりとくいになって、「そんなら、ここでいっしょにくらせば。」こうして、いっしょにくらすことになったばくとダヤン。さいしょのうち、きれい好きでせわ好きなばくに満足していたダヤンでしたが…。ゆめをたべるばくと、ねこのダヤンのきみょうな友情物語。
チェスではすでに人間を追い越しつつあるコンピュータは、どこまで人間を超えていくのか、あるいは超えられないのか、自動翻訳、電話番号案内、作曲、文学など楽しい例をあげながら、人間の脳とコンピュータの違いや、コンピュータにとって何がむずかしいことなのかを解説する。
本書はデータベース作成用の言語、MUMPSを通して見た、医療情報処理の入門書である。
渋谷に海があるなんて知らなかった。渋谷の海辺に立つ赤い屋根のホテル。窓から水平線の見える小さなホテルに永遠の宿泊を予約した僕と、僕をめぐる男と女たちの物語。人間と自然への限りない優しさに満ち溢れたTOKYOファンタジー。大型新人の書下ろし処女長編小説。
近代建築の専門家二人が、ペンとカメラを手に、日本全国、はてはアメリカまで訪ね歩く。建物と人間たちをめぐる、魅力に満ちた物語の数々。カラー写真満載。
パリを始め海外諸都市の印象を語りつつ、それに照らして、江戸と明治を「十九世紀日本」として連続性で把え、内発的近代の可能性を提言した島崎藤村(1872-1943)の文明論集。第一次世界大戦前後のフランスへの旅、晩年の南北アメリカ大陸への旅と二度にわたる外遊の旅行記を中心に文明論の核心をなすエッセイを精選。江戸文化論の先駆。
その、まるで夢みたいな冒険は、ある夏の日の昼下がりに、突然に始まったの。あたし、工藤由香、都立高校の1年生。友人の敦子ちゃんが、夏休みに軽井沢の別荘に招待してくれたんで、今日は、その打ち合わせ。悪友のサキと一緒に、明治神宮の公園の芝生で、小林クンを待っているところ。その時、なんだかいい薫りが…。その、一瞬のいい薫りが、あたしたちを冒険へと誘う招待状だったんだ。
湖の貴婦人と魔術師マーリンの奸許により、ドルイド教の聖なる儀式の名において近親相姦を犯してしまったモーゲンとアーサー。あまつさえ、モーゲンはアーサーの子を身篭る始末。今やブリテンの宗主となったアーサーは、これを知って恐れ恥じ入り、モーゲンを遠ざけたあげく美姫グウェンフウィファルを娶った。が、皮肉なことに彼女は、アーサーの側近ランスロットにかなわぬ想いを寄せていた。アーサー王宮廷内の愛と嫉妬と陰謀に彩られた三角関係をよそに、外ではブリテンの命運をかけたサクソン人との決戦の時が着々と迫りつつあった…。