桜の花びらが水面に浮かび、江戸が春の気配に包まれる頃、駒井小路の桂川甫周邸を訪ねた品川柳次郎とお有夫婦は、その帰り道、尚武館道場が解体される現場に遭遇する。一方、姥捨の郷に寄寓する坂崎磐音ら一行は、嫡男空也を囲み和やかな日々を送っていたが、雹田平とその配下が再三再四紀伊領内に姿を現わし…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし長編時代小説第三十七弾。
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ…。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは?国際金融情報小説の傑作!
21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪、「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える傑作。
零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」、名馬・スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる「ひとすじの光」、無限の勝利を望む東フランクの王を永遠に呪縛する「時の扉」、音楽を通貨とする小さな島の伝説を探る「ムジカ・ムンダーナ」、ファッションとカルチャーが絶え果てた未来に残された「最後の不良」、CIA工作員が共産主義の消滅を企む「嘘と正典」の全6篇を収録。
池上流ファクトフルネス。本質を見抜く力が自分とみんなを幸せにする。場違いな行動・発言の原因はここにあった!
はるか太古の昔。山も、川も、木々も、獣も…みな、心をもった存在だった。人もまた、月神の統べる森の恵みを受け取って生きていた。ある時、海からきたヒメカの民は、土地をかこってクニとし、敵意をむき出してムラに襲いかかった。そして、ムラの若き長アテルイと、美貌の巫者シクイルケは、流亡の旅の途中、翡翠色の目をもつ少年ポイシュマと運命的な出会いをするのだった…。かつて語られることがなかった神秘の縄文時代に光をあて、人々の愛と闘争を描く、たつみやファンタジー待望の新作。
東京近郊で発生した小学生誘拐事件。父親の勤務先に身代金要求を告げるメールが届けられた。不可解なことに、要求金額はわずか200万円でしかなかった。そんな中、事件が起こった町内に住む富樫修は、ある疑惑に取り憑かれる。小学校6年生の息子・雄介が事件に何らかの関わりを持っているのではないかと。そのとき、父のとった行動は…。既存のミステリを超越した、崩壊と再生を描く、衝撃の問題作。
組合わせ、はめ絵、写し絵、パターン認識、条件つき迷路などのおけいこで、構成力や洞察力を養い、知的能力の基盤を育てます。また、言葉や数、生活習慣、自然環境などに対しても正しい認識を養うおけいこをします。
「この世界には、“お金持ちになるための科学”が存在します。それは代数や算数と同じように、れっきとした科学なのです。富を“引き寄せる”過程では、いくつかの法則が働いています。もしそれらの法則を頭に入れて行動すれば、あなたは確実に、富を手にすることができるでしょう」-ウォレス・ワトルズ。ほぼ一世紀もの間にわたって読み継がれてきた「引き寄せの法則」のバイブル、文庫で登場。
私たちは「消費者」や「投資家」だけでいられるのではない。日々の生活の糧を得るために汗する「労働者」でもあり、そして、よりよき社会を作っていく責務を担う「市民」でもある。現在進行している超資本主義では、市民が労働者がないがしろにされ、民主主義が機能しなくなっていることが問題である。私たちは、この超資本主義のもたらす社会的な負の面を克服し、民主主義をより強いものにしていかなければならない。個別の企業をやり玉に上げるような運動で満足するのではなく、現在の資本主義のルールそのものを変えていく必要がある。そして「消費者としての私たち」、「投資家としての私たち」の利益が減ずることになろうとも、それを決断していかなければならない。その方法でしか、真の一歩を踏み出すことはできない。
ホストたちの要望から、大幅改装を図ることになったclub indigo。ある伝手で、有名インテリアデザイナーに内装を手がけてもらうことに。工事期間中の仮店舗探しに晶が奔走する中、ジョン太、アレックス、犬マンはプライベートで事件に巻き込まれてしまう。一方、店の工事はいっこうに進まず、さらにトラブルの臭いが…。若者の“いま”を活き活きと描く、好評シリーズ第3弾。
下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だった、ほんの少し前までは…いまや兵頭は芽吹の敵でもある天才詐欺師・環の恋人となり、痛めつけられる芽吹を見ても顔色ひとつ変えない。仕事も恋もうまくいかず、傷心の日々を送る芽吹だが、人を信じることをやめようとしない。そんな芽吹に、環は苛立ちを隠さず…!?俺は俺を信じる。人を信じていこうとしてる、自分を信じる!すべてを懸けて、芽吹の反撃が始まる。