空はピンクに、眼下の雲海は青く、鮮やかに色づいた、夜明けの光景。入道雲の上に突然、薄い雲が生まれ、太陽を受けて輝いた、午後の光景。天空を横切る巨大な影が発生、空が割れたように見えた、夕刻の光景。美しい空には、科学がある。その光景が生まれた理由がある。気象写真の第一人者が、40点あまりの美しい空を写真で紹介、それら現象の科学と、どうすれば見られるかを解説する。
田舎町に魚売りの娘として生まれ、ソウルにわび住まいする大学生ビトナは、病を得て外出もままならない裕福な女性に、自らが作り出したいくつもの物語を語り聞かせる役目を得る。少女の物語は、そして二人の関係は、どこに辿り着くのかー。ノーベル文学賞作家が描く人間の生。
衝動的に、姉の形見のペンダントを、川に放ってしまった「育音」。そんな時に声をかけてきたのが青年「沖田」だった。レンタル役者を生業としている彼に、「育音」は「共犯者」を演じてもらいたいと願う。「沖田」の仕事を手伝い、かかわるうちに、「育音」の想いは次第に変化してー切ない衝撃が胸を打つ、メフィスト賞作家快心の傑作青春ミステリー!
十二代目竜王ラオワンには幼いころから、持て余すほどに強い歴代最高の魔力があった。成人したラオワンは次代の王となるべく眠りにつくが、ラオワンの龍聖が降臨しても眠りから目覚めず…!?「ラオワン…お願い…起きて…私を抱きしめて…」龍聖とラオワン、シーフォンたち竜族の運命は!?大人気シリーズ!
明治も終りに近い頃、江戸川橋近くの鰻屋で育ちながら、家業を嫌い靴職人になった主人公・伊之吉が、たび重なる浮き沈みに揉まれながら生き抜いて行くー。丹念な心理描写ときめ細かな筆致で、靴職人の半生と関東大震災前の東京を鮮かに描く!太平洋戦争中には“不要不急”の小説として刊行を見送られ、戦後は出版社の倒産によってお蔵入りとなった“幻の長編小説”!野口冨士男・生誕110年を期し、78年の封印を解いてここに刊行!
戦後まもなく渡ったパリで、下宿先のマダムが作ってくれたバタたっぷりのオムレツ。レビュの仕事仲間と夜食に食べた熱々のグラティネー一九五〇年代の古きよきフランス暮らしと思い出深い料理の数々を軽やかに歌うように綴った名著が、待望の文庫化。第11回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
満月の夜、ネコ魔女見習いミルクの前にふしぎな力をもった男の子があらわれた…。
長時間の飛行機の旅では、限られた空間で調理、配膳された魅力的なごちそうが振舞われる。戦闘時や宇宙では手軽でおいしく栄養のある食事が欠かせない。絶え間ない技術開発に支えられている空での食事の変遷を追う。レシピ付。
三好達治賞詩人が「人間のたましい」と対話。気が遠くなるような自然の奥深い語りかけを受けとめた優しく静かな思いにつらぬかれた抒情詩集。