それはとある月夜の晩のことー電話オペレーターとして働く洲本鳴海は、仕事を終えた帰り道、黒いコートを着た黒髪・赤目の怪しげなイケメンから突然声をかけられる。なぜか身動きが取れないまま男に首筋を噛まれ、血を吸われてしまう鳴海だったが、恐怖を感じる間もなく「いったいどんな生活しとるん!?」といきなり叱られる羽目に。日頃の激務と不摂生がたたってか、鳴海の血はおいしくないらしい。なし崩し的に鳴海は、美味な血を望む関西弁の吸血鬼に食育されることになるのだが!?面倒くさがりなズボラ系女子と実は健康オタクな吸血鬼の“簡単・おいしい”ゴハン生活!
飛行機から見下ろした、マグマのように赤く光る雲の群れ。20キロ先から頭上へと空を走ってきた稲妻。気象写真の第一人者が、30年以上の撮影歴の中で捜し求めてやっと出会えた美しい空や、偶然に出会った想像を絶する空の写真、40点あまりを掲載。その現象が起こる理由や、どうすれば見られるのかを、実体験と科学的知見をもとに解説する。
三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!?着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか?
子どもたちの海遊び、戦争ごっこや冒険、憎みきれない菓子泥棒、空を行き交うミサイルを見上げる未開部族ー。まだカルヴィーノ(1923-85)が作家としての方向性を模索しながら、編集者、ジャーナリストとしても活躍していた時期の、ユーモラスで寓話的な初期短篇集。速さ、透明性、具体性、簡潔性、軽さーカルヴィーノ文学の特質すべてがここにある。
十八歳、小柄、子猫のようにしなやかな肉体と愛らしい顔ー共通する特徴の女性が長崎と東京で殺され、犯人は“子猫コレクター”と呼ばれることになった。そんなおり、十津川は鳥取県境港市で“猫娘コンテスト”が開催されることを知り、境港へ飛んだ。厳戒態勢のなか猫娘コンテスト優勝者が誘拐され、さらに犯人から「次は鎌倉で、可愛い子猫を誘拐する」との予告電話が!?長篇推理。
憧れのファッション誌からオカルト誌へと異動させられた雛子の初仕事は、宇宙オタクの高校生・二宮竜胆への取材だった。彼は並外れた頭脳と洞察力、さらには見目麗しい容姿を持ちながら極度の人間嫌い。超高層マンションの最上階に引きこもりながら、十年前にたった一度声を聞いただけの、“あの人”との再会を待ち望んでいた。青春ミステリー。
ロンサム・ジョージに会いたい!風船気球のら号に乗った探険隊。ふしぎの島、ガラパゴスに待っていた奇跡ってなんだ!?-。
虚無的で怠惰な高校生の心に鳴り響いた号砲。立ち上がる彼と、その担任とのパラレルストーリー。
佐渡金山から輸送の金の延べ棒、奉行の江戸屋敷までは確かにあったのだが、江戸城に運び込む段になり十本抜き取られていたことが判明。表沙汰にできないまま奉行は切腹。内密に探索中の忍びが襲われ、今わの際、黒猫直次郎に探索を託す。「義」に生きる黒猫は延べ棒のありかを探り始めるが、行方は杳として知れない。闇に蠢く輩が見え隠れする中、二人は延べ棒を見つけ出せるのか?
1945.3.10(東京大空襲)→2011.3.11(東日本大震災)。児童文化功労賞を受賞した著者が平和を願い、人との出会いを宝として歩んだ85年の人生をつづった初めての自伝!
あなたの人生に変化を起こす為の124話。目次をひらくと、さまざまな言葉たちに出会えます。気になったページ、どこからでも読んでみてください。長年多くの人たちからの相談を受けてきた著者による珠玉の言葉たち。それは、迷ったときの心のみちしるべのようでもあります。