惚れて惚れられ戸惑って、去って追われて甲斐性なくて…。
ユーモアの中に哀しさが漂う“大人のラブ・ストーリー"を描いた名編。
葵祭でにぎわう京都にて、日本を代表する陶芸家(十三代目・片岡仁左衛門)と知り合いになった寅さん(渥美清)は、
その家で働くかがり(いしだあゆみ)に売れ残り(?)の下駄を贈る。それが二人の切ない恋物語の始まりであった…。
シリーズ第29作は、寅さんにかがりが惹かれ、彼女の強い想いに寅さんが当惑するといった異色の展開。
舞台はやがて丹後、そして葛飾柴又、鎌倉あじさい寺へと移り変わっていくが、
シリーズならではのユーモラスな味わいを忘れることなく、
その上で“大人のラブ・ストーリー"日本代表とも言うべき名編に仕上がっている。
山本直純の音楽もシリーズ中出色の出来。満男(吉岡秀隆)が初めてドラマに深く関わることでも特筆されるだろう。
しかし、満男の幼い眼が見据えた寅さんの恋の結末は、あまりにも哀しくて…。
清冽な抒情。美しくも、はかない人びと。沢野ひとしの新境地をひらく待望のエッセイ集。
日本人を魅了してやまない約120種類を紹介した本格的アジサイ図鑑。
青森・十和田から沖縄・南西諸島のアジサイまで250点あまりのカラー写真で紹介。育て方、楽しみ方Q&Aも掲載。
連続盗難事件の犯人を追う篠切刑事は、ダンサーの咲希と知り合う。咲希の不思議な魅力と懐かしさを感じるその声にいつも見る夢の風景が甦る。そして、咲希が語る真実とは…事件の真相とは…。
夫殺しを自首してきた妻。おしどり陶芸家と言われた夫婦に何が起こったのか。紫陽花釉を得意とする美貌の被疑者に魅せられ、その過去を追う検事の前に、やがて宿命にも似た真実が姿を現す…。