二十代なかばのOL「私」は、年は離れていないのにどこか無邪気で大人になりきれていない恋人・祐一と、愛猫ヤマトに囲まれ、日々を暮らしている。しかし「私」の心には、津久井さんという年上の男性上司の存在が深く刻み込まれており、祐一と堅実な恋愛を続けながらもなかなか振り切れずにいたー。揺れ動く「私」の行き着くさきにあるものは…。現代女性の心の動きを、繊細で率直なタッチで描いた、女流小説家蓮木はるかの恋愛小説。
白いペンキ塗りの家から聴こえてくる優しいピアノの調べに、心惹かれる内気な高校生朝子。そこで出会った孤独な瞳の真樹と、まっすぐな性格の弟、誠。それぞれの繊細な想いが心に染みるピュア・ストーリー。
わたしたちの健康と直結している「食文化」。いまや一年を通して、野菜や肉やあらゆるものが手に入り、食材から季節を感じることも少なくなってきたが、そもそもは新鮮な「旬」の食材を「旬」の時期に食すことによって、健康な身体は作り上げられるのだ。長年、生産・流通の両面から農業に携わってきた君島次男が、季節を彩る「旬の野菜」たちが持つ歴史や由来、そのパワーを楽しく教えてくれる、究極の“食通”エッセイ登場!これでアナタも「野菜のソムリエ」顔負けの、野菜博士間違いナシ。
冬から春、夏、秋まで、忘れてしまいそうな四季の移ろいを丁寧に綴った俳句集。阪神淡路大震災後、静岡に居を移して綴った静かな日々。四季の移ろい、工事現場の音が鮮やかに蘇る。
文化の薫り高い街「倉敷」への想いと愛する人々への挽歌、全234首を収録した待望の第二歌集。
難病に襲われた母は幼い子を残して姿を消す。施設で出会った兄妹と友情を育む陽人。ところがその兄が人を殺してしまう。大人になり刑事となった陽人の前に美しい女性が現れた-。母子愛、友への慈しみの心、誰も悪くないのに生まれる悲しみ-謎解きを楽しみながら、涙を誘われる、愛をめぐる壮大な物語。
六月の日曜日、お母さんが語りはじめたのはせつない気持ちを持ち続けた女の子と紫陽花のおはなし。雨の日、しっとりと読みたい大人絵本。
アジサイの花が盛りの六月、奇しくも自分の誕生の月に、三十三歳の若さで逝った娘に捧げる慟哭の記。
突然長男をなくし波乱万丈な人生を歩んだ70才代女性の記録。