かつて魔法に取り憑かれた少年がいた。数学という名の魔法に。巻き貝の殻や呪文のような秘密の文字が書かれた本の中に、世界を解き明かす鍵があるとしたら?少年はやがて数学者となるー。自然界はもちろん、音楽や美術、建築にも、異性に対する好みにさえ現れる「対称性」。その“シンメトリーの素数”を網羅した「地図帳」を完成させようと奮闘した数学者たちの姿をユーモラスに、しかし感動的に描く数学ノンフィクション。
年下の男との失われた愛の記憶を呼びさまし、それを小説に綴ろうとする女の情念を精緻きわまりない文章で描く。「アメリカ文学の静かな巨人」による傑作。
2012年、「ユーロ恐慌」から「世界大恐慌」に突入する。
天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。四十代という“人生の暗い森”を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に、芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死などのテーマが重層的に描かれる。いつまでも作品世界に浸っていたいと思わずにはいられないロングセラー恋愛小説を文庫化!
店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。そこに現れたのは、故人の遺言により幸本書店のすべての本を任されたという都会から来た高校生・榎木むすぶ。彼は本の声が聞こえるという。その力で、店を訪れる人々を思い出の本たちと再会させてゆく。いくつもの懐かしい出会いは、やがて亡くなった店主・幸本笑門の死の真相へも繋がってゆくー。“本の味方!”榎本むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー。
世界の好況は、借金漬けのアメリカ人のおかげだった。だが、サブプライム問題が歯車を狂わせた…。ブラックマンデーを乗り越え、30年間相場で生きてきたプロが「サブプライム」の正体を解き明かす。
21世紀の世界の覇権争いは「環境」を舞台に繰り広げられるー。戦前の軍艦、戦後の核兵器に次ぎ、CO2排出量がいま、人類の最重要課題となった。国際政治の主役に躍り出たCO2を外交の“武器”に、「環境」という戦場で、どう戦っていけばいいのか?日本の進むべき道を提示する対論。環境から、世界の覇権、メディアリテラシーまで。“世界を識る”気鋭のジャーナリスト二人が、存分に語り尽くす。
なにが善で、なにが悪か。決めるのは、誰だ?崩壊した世界。恐怖や暴力が蔓延し、他人を信じることも難しい。罪だけ増え続けていた。そんな時代に、黒騎士は降り立つ。罪の浄化。悩める者の救済。数々の奇跡、圧倒的な力。神と呼ばれた男。命を狙う影。すべてが壊れた場所で、価値観をめぐる闘争が始まる。
いつも元気な店主・花柚が、小学生のとき以来だという風邪をひいて、寝込んでしまう。急きょピンチヒッターを頼むことになり、彼女が声をかけたのは、西陣で人気店を営んでいる松園というおじいさん。幼い頃から花柚を知っているという彼もまた、ひときわ美味しい料理を生み出す、個性的な人だったー。待望の第2巻も、絶品!!
憎かった兄が死んだ。残された元妻、息子、私ー怒り、泣き、ちょっと笑った5日間の実話。
30年間隠されてきた幼女誘拐連続殺人。県を跨いだ、幼女を狙った卑劣な事件。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え。20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
システム保守の現場でありがちな、構造が複雑で理解できないようなコードに対する分析手法・対処方法について解説。コードを理解し、テストできるようにし、リファクタリングを可能にし、機能を追加できるテクニックを紹介。
強力ライバルからの反撃、会社売却、起業、急成長、資金ショート、無理な上場、出張中に妻が呼吸停止、バブル破裂、株価急落、最大顧客の倒産、売上9割を占める顧客の解約危機、3度のレイオフ、上場廃止の危機ー。壮絶すぎる実体験を通して著者が得た教訓は、あらゆる困難(ハード・シングス)、に立ち向かう人に知恵と勇を与える。シリコンバレーのスター経営者に慕われる最強投資家からのアドバイス。
現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものはー?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。