なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだー。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。
マンハッタンにその年最初の雪が舞った夜、ウェルズは一人の著名な海外通信員に出会った。何やら奇妙な連帯感を覚えたあげく、ホテルまでつきあい、つぶれるまで呑んだが、翌朝、相手は謎の闖入者の手で殺されてしまう。酩酊して耳にしたエレノアという名を手がかりに、通信員の過去に分け入る敏腕記者ウェルズー。彼が見た、愛と裏切りの記憶とは?傑作ハードボイルド第二弾!
著者が実の父の死について語った本。思い出や小さなエピソード、人生についての考案が、幼い子どもによくわかるかたちで書かれている。その信ずるところも疑念も、読者に押しつけることなく、ときに深遠にときにユーモラスに語られている。
まさにサッカーづけだった静岡での少年時代、“最強”のジュビロ磐田、ベネチアでの苦闘、アジアカップMVP受賞で掴んだもの。そして、天才レフティが目指す理想のサッカーとは…。繊細で力強い魂の軌跡が綴られた、渾身の書き下ろしノンフィクション。
進化の初期における多細胞動物たちの姿をとどめた化石を豊富に保存しているのがバージェス頁岩である。本書はバージェス頁岩化石生物群集についての最も完璧な写真集なのである。
宇宙には果てはあるのだろうか。逆に、物質を細分化していくと、そこにはどのような世界が広がっているのだろうか。こうした大きな問題、微細な問題について、未だ科学は回答を出せずにいます。本書は相対性理論を手がかりに、人間、あるいは「私」と科学との関わりについて考えた、物理学の入門書であり、人間学の入門書です。
童話のような寓話のような物語性豊かな全11曲が、和製ブリティッシュ・トラッドと呼びたくなるふくよかなバンド・サウンドと楚々とした歌声で紡がれる好作品。CCRの「すべての人に歌を」を独自の日本語詞で歌い、新たな輝きを与えた佐藤良成の作家性に感嘆。★
森山直太朗、初のベスト・アルバム。「さくら(独唱)」「愛し君へ」ほかヒット曲、人気曲満載で送るヴォリューム満点の内容。唄心に満ちあふれた説得力のある楽曲に酔いしれる。
TVドラマ「金曜日の妻たちへIII」のテーマソングとして大ヒットした「恋におちて」をフィーチャーした小林明子のファースト・アルバム。知性とエレガンス溢れるアダルトなアーティストとして注目を浴びた。
新任代理教師の倉沢は、放課後の部室で、生徒同士のレイプ現場に遭遇する。生徒会役員である冴木、今泉、松平の3人がレイプゲームを行っていたのだ。倉沢は、獲物の生徒を助けようと乗りこむが、かえって自らが獲物にされてしまう。3人の生徒に体中を弄ばれ、よってたかって輪姦された倉沢は、心では屈しまいと思いながらも体は快感に支配されてゆく。以来、校内で待ち伏せする冴木、今泉、松平から次々と陵辱を繰りかえされー。
徳島出身の女の子三人組バンドのファースト・フル・アルバム。キュートなヴォーカルとキッチュなサウンドで同性からも共感を得られそうな仕上がり。赤色をバックに三人の顔をかたどったジャケットは内容に比してハードな印象だが。
世界が終わるとき、少年は少女と出会ったー。西島大介、渾身のファンタジック・ラブ・ストーリー。
ミュールとの戦いは終わり、世界を救ったライナーらは、すべての人々に届ける詩のため、「想い」を集める旅の途中だった。しかし、平和を取り戻したはずの世界では、異変が起きつつあった。グラスメルクの材料不足による物価の高騰、天覇による突然のレーヴァテイル大量解雇、次々と情緒不安定に陥るレーヴァテイル。ついにスクワート村廃墟にたてこもったレーヴァテイルと天覇の部隊が衝突する。レーヴァテイルの共通意識を支配している“謎の存在”に、ライナーは戦いを挑む。プレイステーション2で人気を博した同名ゲーム初のノベル化。
川とは、人にとってどのような存在なのか。近代治水技術の発展と限界を歴史的・具体的に検証し、自然との共生をめざす治水のあり方、「溢れても安全な治水」とは何かを追究した画期的著作。脱ダム問題なども含め、近年の研究を踏まえた新論考「川の本質を考える」を増補した新版。
古代西欧文明から、ダ・ヴィンチの絵画、大航海時代の帆船、日本の縄文文化まで。人類の歴史は、常にドングリの木=オークと共にあった。