ひらめいたアイディアを、実験的な「デザイン」へまとめること。それが我々の作業である。ひらめきとデザインの往復運動。決まった手順はない。雑談のなかで、アイディアがひらめくことも多い。こんなプロセス自体が、アーキグラムなのだ。
人生は楽しむためにありー。ド派手なファッションを身につけ、遊郭をも公認し、自由、平等、伊達を愛し続けた尾張七代藩主、徳川宗春の生涯を描く本格時代小説・長引く不況のなか、厳しい倹約を求めた享保の改革で知られる徳川吉宗。その名将軍に真っ向から挑み、庶民から大喝采を浴びた男の痛快かつ爽快な青春時代。
先例や、頭の固い老臣の言うことなどは無視する。尻込みした為政者になるのはつまらないー。名将軍・吉宗の最大のライバル・徳川宗春は、1730年、三十五歳にして思いも寄らぬ経緯から尾張藩主の座につき、様々な経済活性化政策を打ち出した。まずは生きる上に楽しみがあってこその人生、と民の欲望や自由を認め、各々の意識改革を目論んだ。
スピーチの原稿をつくり、1字1句まる暗記すること、それは絶対にやってはいけないことですーカーネギーが発見したひと前で話す秘訣。
もうこれからは、ただ惜別の人生を覚えねばならない。二十世紀という長い一日、その終わりの秋に沈黙に充ちたことばで手わたす、初めての「私」詩篇。
島根県の岬の町に住む美花は、茂樹の異母妹である。幼い頃、岬の家に行くのが茂樹は好きだった。いつも二人は焚火を楽しんだ。父が死に、母も他界した後、茂樹は母のノートから「許すという刑罰」との謎のメモを発見する。一方、美花の家には異様な写真が一枚残されていた。「美花は本当に自分の妹だろうか」出生の秘密を探るうち、さらに強まる二人の絆。それは恐ろしいほどの疼きとなった。
蠱惑の極みの陶酔…異母妹?!美花はもう、茂樹のすべてだった。罪悪感が、二人の果てなき愉悦の火種となった。フランクフルトへの転勤を前に、茂樹は辞職を決意する。生活の糧とすべく、二人は岬の家の近くに廃屋同然のかやぶき農家を移築して改装し、旅館業を営む決意を固めた。準備をすすめる中、美花は自分の出生の謎を記した茶封筒を手にする…。
妖精フィツとの突然の別れから一年、十四歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたかに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた…。すべてが崩壊へと向かう中、始まるペチカの最後の旅。そして感動のクライマックスへ!各誌紙で絶賛された長編冒険ファンタジー。
音楽療法の実際のセッションのなかで生まれ、たくさんの療法士に口伝えで伝えられてきた名曲・珍曲・音楽遊びが、1冊の曲集になった。曲が生まれた背景や、実際の活動のすすめかた、応用の方法など、ていねいな解説つき。音楽ゲームを含めて、合計63の活動を紹介する。
スミスにはじまりマルクス、ケインズ、シュンペーターと続く経済学の巨人たち。彼らが遺した経済思想とは、どんなものだったのだろうか。彼らはみな、経済的な分析技術の発明者というよりは、自分を取り巻く現実の経済社会と切り結び、人間の営みの本質を「ヴィジョン」として描こうとした「世俗の思想家」であった。-1953年の初版以来たびたび版を重ね、二十数カ国語に翻訳されて多くの学生を経済学へと誘ってきた名著の、最新第7版の翻訳。現実の経済の行方が不透明な今日、将来を見通すための最良の指針。
電気発見の歴史をたどりながら、電流、電圧、電界、磁界、磁束密度、静電容量…、そしてマクスウェルの方程式が見通しよく理解できる。電磁気学を学びたい人、学びはじめた人、しっかり原理を知りたい人の絶好の入門書。高校生から。
なぜ優れた哲人皇帝の時代に、「帝国の衰亡」は始まったのか。既成の歴史観に挑む塩野七生版「ローマ帝国衰亡史」がここに始まる。
本書は、上級レベルの日本語を適切に産出するために、文法をわかりやすく整理説明し使い方の練習をするものである。ここでは、文末で話し手の気持ちを表す、モダリティ・終助詞を扱っている。
モルトマンのライフワーク『組織神学論叢』全6巻から、泉のように溢れ出る信徒のための神学の手引きとして、この度、『論叢』5『神の到来』で展開されたキリスト教的終末論の世界が、新しく開示された。本書でモルトマンは、おだやかな牧会者・教育者の姿勢を取る。それは、現代の危機的状況の中で、弱く貧しい存在として生きていく他ない一人びとりの人間のために、主の終末論的現実存在を信じ望みながら、究極の勝利の希望をもって苦しみ戦う道を、指し示していくために他ならない。彼は繰り返し、“すべての終りの中に、新しい始まりが隠されている。それこそ神が人間を見捨てない証拠だ”と訴える。その力強いメッセージは深い喜びと慰めと希望に満ち溢れていて、この書物全体がまさに“希望の終末論”であることを、明快に納得させるに違いない。
アメリカに、13年、あるいは17年に一度だけ何億匹も大量発生し、数週間だけ凄い声で鳴き交わして死んでゆく、へんてこなセミがいます。どうしてそんなに長い間地中にいるの?13年と17年なのはなぜ?日本人の科学者が初めて解いた、奇妙な「素数ゼミ」の秘密。
村上春樹、80年代の記念碑的長編。