レギュラシオニストにしてエコロジストであるエコノミストだが、92年のEC統合を目前に控えた現在、東欧改革と、「ベルリンの壁」の崩壊=冷戦の終結の衝撃を踏まえつつ、21世紀のありうべきシナリオを展望した野心作。
謎は氷解しつつある。世界は、古来わたしたちが漠然と想像していた通りであった。MS-DOSマシンのもたらす硬軟一体の世界観に迫ろうとする。
中国・ソ連をはじめ共産圏のほとんど全域に広がった体制改革の動きは、このまま続いていくのだろうか。本書は、専門学者と実務家によって、〈全般的危機〉を迎えた共産世界の軌跡とそのゆくえを解明する。巻末には挙産圏関連の年表を収録する。
本書には著者自身の青春における失敗と挫折、そして恥部がさらけだされている。しかも、苦悩と試練を乗り越えるプロセスの一つ一つがエッセイとして書き綴られている。
自殺した同級生の葬儀に故郷秋田を訪れた作家がふりかえる自らの生の軌跡。友と聴いたクラシック、仲間と励んだ雪の中の野球…。万引事件や生家の破産を越えて胸に迫るのは懐しい思い出の数々。人生の終楽章を迎えて、自分を支えてくれた友人、父の愛、妻の献身に気づく。胸を打つ感動的な直木賞受賞作。
満席で飛び立ったジェット機内から、一人の女が消えた。親聞記者の冬木悟郎は、人妻・美那子失踪の謎を追って彼女の郷里・福岡へ。そこで彼は、美那子をかつて愛していた男の蒸発、そして殺人事件に出遭う。愛しい女に対して深まりゆく疑惑。蒸発の真相は…。現代人の愛を、抒情豊かに活写。〈日本推理作家協会賞〉受賞作。
破天荒な求道遍歴のすえに到達した〈農のくらし〉。霊峰比叡の山ふところに「麦の家」を構え、衣食住を能うかぎり自給するその生活は、現代文明の向かおうとしている方向と全く対極にある。90歳になる「百姓菩薩」の生涯は、現代文明への根源的な癒しと宗教の進むべき未来を予告する。
レイチェルズは、積極的安楽死と消極的安楽死の区別を否定する、きわめてラディカルな結論を導き出す。植物状態患者、苦痛にあえぐ末期患者などのケースを含めた安楽死問題に、われわれはどのように対処すべきだろうか。倫理学理論の根底的見直し。
どうすれば人は「やる気」になるのかを、具体的に、ただちに実行できる方法で示す新時代のビジネス書。
元ボクサー堤から、フィリピン人ボクサー・ロハリオのボディーガードを依頼された矢田ら四人組私立探偵は、さっそく二人の身辺に張りついた。堤には、チャンピオンをリングで死なせ、ボクシングをやめた過去があった。やがてチャンピオン戦を目前に特訓に励むロハリオと、それに付き添う堤をついに殺し屋が襲う。しかし、狙われたのは実は堤であることがわかる。一方、犯人を追って、パブにもぐり込んだ矢田は、妖しくグラマラスな女から誘惑を受けた…。飢えた男を呑み込む女のわななき、死を賭けた激しい肉体の戦い、官能バイオレンスの旗手が贈る渾身の快作。
真の顧客志向型企業の条件は何か?今、管理から支援の時代へ。「ミドル・マネジャーの支援」がいかにメンバーの満足度を高め、外部顧客の支持を受けるのか-。内部顧客サービスのアクションプランこそがマネジメントの内容と質を変える。
《青春》は、みずからが、たゆみなく、みずからの情熱の全量で、磨き上げつづけていかねばならぬ。その強靭な志向は、誰もが負わねばならぬ痛ましい運命とは異って、やがて人格の正直な《無垢》へと通じ合うだろう。梶井基次郎と三好達治の二人の青春は、そこにつきあおうとするものの心に、新鮮な抒情の無垢の所在を、まるで腹立たしいほどの輝やかしい狂気のように、容赦なく突きつけてくるのである…。
宇宙はどのように始まり、この先どうなるのか。相対論の描く時空、素粒子論の語る宇宙創成、量子力学の説く「真空のゆらぎ」、ホーキングのいう「始めも終わりもない」とは?宇宙論をやさしくじっくり解説。
本書は、現在共立女子大学図書館が所蔵する故北村喜八氏旧蔵の築地小劇場及び劇団築地小劇場の検閲済上演生台本全九十八冊の中から、とくに修正の目立つ二十四冊を厳選し、影印復刻するとともに、全検閲箇所を明示した解題と総合解説を附し、全十二巻にまとめたものである。
現代美術の世界で国際的に活躍する彫刻家が、作家活動の軌跡と芸術家との交流を綴った初のエッセー集。
高校二年の村瀬二葉は人を拒み、傷つけ、たったひとりの青春を歩んでいたー。16歳の夏に、力ずくで“女”にされ、「心はちがうんだ…」と叫び続ける二葉…。やがて少年院送りとなり、奈落の底へと落ちてゆく二葉だったが、そこには幾度となく面会に訪れるクラスメイトー麻生勇介の姿があった。運命に裏切られ、潰されながら、何ひとつ信じることさえ知らない二葉に芽生えてゆく男どうしの恋。今日も歌い続ける終わりのないラブソング。衝撃の青春小説ついに登場。
マンハッタンにその年最初の雪が舞った夜、ウェルズは一人の著名な海外通信員に出会った。何やら奇妙な連帯感を覚えたあげく、ホテルまでつきあい、つぶれるまで呑んだが、翌朝、相手は謎の闖入者の手で殺されてしまう。酩酊して耳にしたエレノアという名を手がかりに、通信員の過去に分け入る敏腕記者ウェルズー。彼が見た、愛と裏切りの記憶とは?傑作ハードボイルド第二弾!
すべての帆を揚げて走りに走り、ファビアンはついにニューオーリンズにたどりついた。この地の司令官パターソンは、階級は下だが思慮深く、現地の事情に精通していた。信頼できる男だ、ファビアンはこの男と協力してイギリス軍を要撃しようと思った。力強い味方がもう一人いた。いとこのギデオンである。一方つらい役目もあった-。
少年院で奈落の日々を送る村瀬二葉は、優等生麻生勇介への熱い思いを抱きながらも大番長三浦竜一の専属の“女”にされていたー。鋭い蔑みを浮かべながらもまっすぐに二葉を見すえる竜一と勇介との狭間で、行き場のない愛に彷徨う二葉…。心の扉を閉ざし続けてきた二葉は本当の愛に目覚めてゆくが、やがて出院の日が迫ってくる。禁断の恋に揺れる十七歳の青春の行方は…。衝撃の話題作、待望の第二弾。
ホーキング理論からゆらぎ構造まで、今日から私は科学の達人。噂の深夜番組が生みだした最新科学エッセイ。