本書は、ニュートンの古典力学から、アインシュタインの相対性理論、宇宙論、量子力学、熱力学、進化論、そしてカオス理論まで、時間の矢をめぐる論議を吟味することによって、この最大の難問の解決への道を見出そうとした試みである。このテーマに、物理学からだけでなく、化学、生物学からもアプローチしたポピュラー・サイエンスの力作。
倹約路線をとる官僚型将軍・吉宗に真っ向から対抗、積極的な開放政策を展開し、江戸を上回る繁栄を名古屋にもたらした尾張藩藩主・徳川宗春の自由奔放な生涯。
メディアにかかわる全ての人たちに捧げる。マルチメディア社会の疑問に答える1冊。これからのマルチメディア社会をわたしたちはどう迎えたらいいのか。電通総研チーフ・プロデューサーが大胆に未来をスケッチ。
「ヒト」の遺伝情報は、ひと揃いの染色体の中にDNAの塩基配列の形で蓄えられている。このすべての遺伝情報のひと揃いを「ゲノム」という。その完全な解析をめざす「ヒトゲノム計画」は、単にDNAの30億におよぶ塩基配列を読むものではなく、最新の技術を駆使してあらゆる角度から遺伝情報の解析をおこなうもの。その過程で、生命現象の新しいメカニズムの解明、遺伝病の診断や治療など、生物科学の基礎から応用まで、さまざまな問題が解決されつつある。本書は、世界的規模で競争かつ協力して遂行されるこの巨大プロジェクトの全貌を語り、最新の科学の面白さと、その成果がもたらしうる社会的な功罪を伝えるもの。
名古屋はなぜ維新に乗り遅れたか。公家や薩摩、長州の策謀と尾張藩の生残りを賭けた駆引き。
天地創造、エデンの園、カインとアベル、ノアの洪水、バベルの塔など世界と人類の原初史、そしてアブラハム、イサク、ヨセフらイスラエル民族の歴史物語に一貫して流れる創造の神の導きと語りかけ。一切の根源に、この神を見、信じ、拠り所とした創世記記者の信仰に学ぶ。
八代将軍吉宗との存亡を賭した闘い。“四民共楽”“自由”を理想とし、商品経済を受け入れ、名古屋を繁栄に導いた男、宗春。-彼は天下を望んだのか。御三家筆頭、尾張藩主・徳川宗春の波瀾に満ちた生涯を追う快作。
あまりに強烈な光景のショックにより、生まれる以前に痕跡となってまったモダニズム建築ー世紀転換期のアドルフ・ロースから、ドイツ統一後を生きるダニエル・リベスキンドまで、「われわれ」の欲望の対象であり、20世紀という時代精神そのものとして直立した過激な建築群を鋭利に読みとく。思想史・表象文化論の俊英による第一評論集。
オウム事件以降も、歴史教科書問題・酒鬼薔薇事件と、終わりなき日常を濃密に生きる知恵を持たない人々が、ハタ迷惑な噴き上がりをみせつつある。世紀末的混乱のさなか、本書の意義はさらに増大しつつあると思う。
ヨーロッパ「近代哲学」の根本精神を、その歴史的起源および哲学の本質的な問いの連関から解き明かす。神と世界、魂と外的世界、存在と生動性など六つの基本的テーマを提示・論究し、「近代」の精神的特質を鮮明にする。
『オズの魔法使い』を触媒にして時を越えて出会う孤独な人々の姿をファンタスティックに描く、書評子絶賛の話題作。