なんと中世のけったいなこと!流刑の絵師が筆の技で豪族をうちまかす「絵師合戦」、舞女との交情から仏像造りの技法を体得した運慶を描く「開眼」など名作の聞え高き四篇。強靭な文献分析、卓越の史眼、端正な筆致で斯界に新時代の到来を告げた作品群です。伝統の器に注がれた新しき美酒をおたのしみください。
遠ざかる近代、そして日本人に残された可能性とはー卓越した感性と知性の対話、生き方探しのヒント。
相変わらず盛況の「パソコン教室」だが、利用者側の切迫した事情からか、全てのソフトウェアの基礎となるOSに割く時間は意外に少ない。本書は業界標準であるマイクロソフトのOS「ウィンドウズ95」の後継で、最新のOS「ウィンドウズ98」を前提に、パソコンの約束事から具体的操作方法までをこれから始める人向けに解説する。
寄る辺なき自我が「神」を捏造する。オカルト、自己啓発セミナー、ニューエイジ、自分さがし-。あらゆる結びつきが失われゆく現代ニッポンの深層を浮き彫りにし、新世紀を展望する気鋭の論客の最新力作評論集。
美酒誕生の裏側に秘められたドラマを、大正、昭和、平成を生き抜く一人の信州杜氏の足跡から紡ぐ。
大ベストセラー『大往生』後、著者とその周辺に起こった出来事を綴るエッセイ。有名・無名のさまざまな人たちの名言・名句を紹介しながら、明るく「老・病・死」を語る。著者が日頃、人や社会に寄せている想いを伝える私信的エッセイ「六輔メモ」と合わせて楽しむ、さわやか人間賛歌。
全米ナンバーワンの本格テキスト上陸!経営の本質論から最新技法まで米国式マネジメントを集大成。
本書の特徴は、20世紀の全体を時代順に区切るのではなく、テーマ別、すなわちときには絡み合う複数の系(セリー)によって構成することにある。これは一直線に進化する目的論の建築史ではなく、斜めに読む建築史であり、世紀の終わりにおいて、主に30代による若手の建築家と研究者が描いた『20世紀建築研究』である。
夏が、終ろうとしていた。-デビュー作『情事』を、この書き出しではじめた著者は、様々な“終り”のなかに、男と女、人間のドラマを見いだし、創作へと駆り立てられつづけた作家でもあった。愛する家族のこと、気のおけない友と過ごした時間、創作への情熱、新鮮な驚きと刺激を与えてくれた旅の話…。人生の様々な“終り”のなかで、寂寥感とともに、作家の胸に去来する人、言葉、風景ー。はからずも、本書(単行本)刊行直後に、惜しまれつつ急逝した著者の、エピローグを飾る名エッセー集、待望の文庫化。