本書の最も大きな特徴は、各テーマにおいて「歴史と現制度の概要」と「理論的理解」を設けていることである。これまでの「経済政策」を扱った書籍は、歴史的な流れや現制度の概要、あるいは理論的な理解のどちらか一方に偏重しているものが多かった。そのため、歴史的な背景を踏まえた現状については理解できても、それを理論的に理解するための基礎的な部分がわかりづらかったり、あるいは逆に、理論的な理論を促すような基礎的な説明はあるものの、歴史的にどのような政策がとられ、結果として現状の制度がどのような状態にあるかという制度の概要を捉えることが難しいと感じたりする方も多かったのではないだろうか。そこで本書は、各テーマの経済政策の歴史と、それを踏まえたうえでの現制度の概要を解説した章と、そのテーマを理論的に理解するための章をテーマごとに設けた。経済政策の歴史や現制度の概要だけでなく、理論的な理解で可能な点は本書の大きな特徴といえるだろう。
2016年、アウンサンスーチー政権の誕生で世界の注目を集めたミャンマー。現在、民主化のユーフォリアは終わり、経済は踊り場を迎えている。経済活性化のための取り組みは何か。これまでの経済政策を検証し、ミャンマー経済が再び成長を加速するには、インフラ整備や人材育成、法制度の確立など「第二段階の改革」が必要と提言する。
グローバル政治経済に関するいろんなパズルを、ゲーム理論で解いていこう。「戦争」「安全保障」「貿易と移民」「通貨と金融」という4つの分野において誰もが思い浮かべる疑問を取り上げ、簡単な理論によって解答を導き、そのプロセスを解説していく。各章には深く理解したい人のための例題があり、章末にはもっと読み進めたい人のための文献案内もついています。
経済学初学者のためにやさしく書かれた入門書。「予習→講義→復習→練習」というサイクルに沿って学ぶことにより、「経済学的な考え方」が自ずと身につく。直観的にも理解しやすいように、多くの図表を用いている。
様々な文化・風習の違いを越えて得た学びの姿勢とは。日本経済研究で功績を残す経済学者が語る、学問と人生。「通念の破壊者」にして名伯楽の軌跡。
本書は、経済について本格的に学びはじめる中学生を起点として、前後の小学校と高校を結び付ける系統性を意識した経済教育の提言書である。
本書は、特定の経済政策の有効性あるいは無効性についての考察を目的としてはいない。本書が目的とするものは、ある経済政策がその実現に成功あるいは失敗するメカニズムを、理論的および実証的に解明することである。
公認の売春宿など、多様なフィールドワークで実践的なアイデアを提示。マネジメント5原則。特徴的で興味深いリスクを取る危険を顧みない人々に取材。パパラッチ、ポーカープレーヤー、競走馬のブリーダー、陸軍の将軍ほか多数のエピソードから、リスクに対処するための原則を読者に提供する。
戦後復興、経済の軌跡、東西統一、EUとの関係など、歴史的な観点も詳説し、現代のドイツ経済を概観する。また経済の隣接領域の重要項目も補章で補い、ドイツ経済を立体的に捉える。図表を多用し、理解を深めやすい構成のテキスト。
公共空間における共通善に基づく経済の可能性を求めて。「もう一つの経済」の姿を追求することで、グローバル資本主義のもたらす問題の要因を取り除き、より公正な社会の実現をめざす運動、「社会連帯経済」の学術的な概念と可能性を提示するとともに、フィールド調査を通して、その実態をできる限り丁寧に描き出す。
アメリカに経済学ブームを巻き起こし、170万部のベストセラーとなった話題の書。若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。犯罪と中絶合法化論争のその後や、犬のウンコ、臓器売買、脱税など、もっとヤバい話題を追加した増補改訂版。
旧態依然の経済学界に渦巻く非難をはねのけ、認知バイアスに関する研究成果を着実に積み上げていった著者は、それらの知見を逆用し人々をより合理的な行動へと導く画期的手法「ナッジ」を提唱する。いまや日本をはじめ各国の政策に取り入れられている行動経済学は、世界をどのように変えていけるのか?話題の学問の全史を類まれなユーモアとストーリーテリングで描き絶賛を浴びた痛快ノンフィクション。
繁栄を誇った未曾有の大都市「江戸」は、どのように造られ、どのようにして人々の暮しを支えていたのか。自然地形を活かして、都市の骨格や、万全の防衛体制が定まったのが江戸の姿であった。天下普請によるインフラ整備や参勤交代などはヒト・モノ・カネの流れを生み出し、水運網の整備は全国の結びつきを強めた。家康が造ったこの町は、そうして経済を刺激し続け、エネルギッシュな大都市へと発展したのだ。本書は、江戸の歴史を地理、経済、土木、社会問題など多視点から見ていくことにより、その本質、発展の秘密に迫る一冊である。