2月6日-、わからない、わたしは、ここでなにをしているの。そう、ほんとうはわかってる。病院にいてもちっともよくならなかったから。ここに入れられたのは、ことばを取りもどすため。ひとことも口をきかないわたしといっしょにいることに、お母さんが、がまんできないから。わたしの顔のせいかもしれない…。傷をいやして、未来への一歩をふみだすまでの14歳の少女の心にしみる日記。小学上級から中学生向き。1988年度オーストラリア児童文学賞受賞作品。
ぼくね、もりのなかのひみつのばしょに、はなばたけをつくったんだ。でも、へんだなあ、はながへってる。だれなんだ、ぼくのはなをとっていくのは…。
宇宙の起源とその運命を探るため、ひとつの素粒子が旅に出た…。量子力学と最新の宇宙論がよくわかる、壮大なスペース・オデッセイ。
本書は、戦いを努めて“ゲーム感覚”で取り扱っています。古来の兵法書や軍人の心得にはない特色です。戦いをゲームとして把えることは、実社会の戦いに直面したときにも、冷静さを保ち適確な判断を下せるという点で大きな効果があります。
ひいらぎ博士というのは、ひげの形がひいらぎの葉の少し似ているからひいらぎ博士というのです。このお話では、まるで象形文字のような人や動物ができます。物の形を抽象化するというのでしょうか。こうすることで誰でも同じような絵を描くことができす。
バリ島の文化に深く根をおろし、演劇の主人公として人々と共に生きている魔女ランダと、近代社会の根源的な問い直しを企てる哲学者との豊饒な出会い。死や痛みを含む〈パトスの知〉から、二分法的な思考を越え我々の世界観をゆさぶる〈臨床の知〉、〈演劇的知〉へ。既成の知のあり方を問い、ダイナミックな組換えを追求する。
本当の美しさを追い求める石工のダニーロ。山の女王は彼を不思議な世界へといざないます。ロシウのウラル地方に伝わる民話の傑作集。
母さん鳥がなくなったともしらずに、そのかえりをまつ、むく鳥の子。かれはが、かさこそとなる音まで、母さん鳥の羽音にきこえるのでした。あるばん、むく鳥の子は、ゆめをみます。ゆめにでてきた白い鳥は、母さん鳥だったのでしょうか。(「むく鳥のゆめ」)。人間と友だちになりたい、心のやさしい赤おに。でも、なかなかうまくいきません。そこで、なかまの青おにが、にくまれやくをかってでます。おかげで、人間たちとなかよくなれた赤おにでしたが、ひとつ気がかりなことが…。(「ないた赤おに」)。
瓦は必ずしも優れた屋根葺き材料ではない。しかし、古来人々は、瓦の文様にさまざまな思いを託した。各地で出土した瓦の文様をひも解いてゆくと、大陸から伝来した製造技術の伝播の様子が浮かび上がってくる。瓦は文化を映し出した鏡でもあったのだ。
恒常的モノ不足と紙屑同然のルーブル。第一級の基礎科学とお粗末な技術。社会社義70年の実験はなぜ失敗したか。ソ連人経済学者が、生々しい体験からソ連経済の病根と復活の可能性を語る。