ロンドン・シンフォニエッタの音楽監督、クロスリーが、新たなドビュッシー像を把えようと試みる。リズムやアクセントの僅かな力点の違いが音楽の多層的な広がりを誘発するなどの新鮮味はあるが、意外とコンサバ。新しさを期待しないないなら、優秀な出来。
Kinkiの2人はおりませんが、超豪華メンバーが集まった吉田拓郎とLOVE〓2 ALL STARSによるセルフ・カヴァー集。円熟&ゴージャスなアレンジで甦る往年の名曲の数々。さすがに聴かせるが、やっぱり丸くなった感は否めぬ。みうらじゅんはどう聴く?
寅さんの高齢化が目につくようになった時期のものだけに、曲間に入る台詞も他人へのアドバイス(恋愛指南)が多い。ウィーン編の(26)は「常動曲」を巧みにアレンジして、山本純直の面目躍如。4枚目を締め括るおいちゃん(森川信)の名台詞は、もう、最高の一言だ。
ピアノ独奏曲全集の第3弾。96年以来の2度目の録音となる前奏曲集第2巻。より柔軟でドビュッシーの世界に近づいた。他の少し珍しい曲にも深い洞察力をみせ、説得力のある演奏を聴かせている。
エーリッヒ・クライバーがアルゼンチンに移り住む前、1930〜34年の歴史的録音。音質は確かに貧弱だが、ノイズがほとんど聞こえない見事な復刻だ。ランナーのワルツで見せるチャーミングな表情と生気あふれるリズム。その冴えたタクトはやはり超一級だ。