年に一度の満月祭り。相川鈴音は親友の咲山千紗にそそのかされ、夏こそ女の勝負のときだと幼なじみの金村裕太に告白しようと一大決心する。一方、そそのかした張本人の千紗と姉の美里も、自分の恋路、友人の恋路に首を突っこんで、友人の工藤たまきまで巻き込んでの一騒動。ついには、ストーカー気質な生徒会長の縁に追いかけまわされる南雲真の貞操の危機も。五人のヒロインたちが巻き起こす、ひと夏の大騒ぎがここに始まる。
東京の繁華街を拠点に走る個人タクシー業の入船安太郎。三十二年務めた法人タクシーから独立したのであるが、その陰には入船の人柄に惚れこんだ銀座のクラブママの援助があった。深夜の走る密室ともなる車の中で繰り広げられるのは、それぞれの人生相談や、身の上話だった。そんな常連客の女性たちが入船にすり寄り、思いの丈をぶつけてくる。客のよき相談相手となる一方で、入船は他人に言えぬ悩みがあった。そして秋のある夜、超ロングの客を乗せたことから、入船の女遍歴が微妙に変わり始める…。書下ろし長篇官能ロマン。
ベースレスの3ピース・バンドのファースト・アルバム。エンタテインメント性あふれる笑劇ライヴが人気の彼らだが、ユニークな歌詞を武器にしたノリのいいロック・ナンバーは聴いていて楽しくなるようなものばかり。安定感のある歌唱力も聴きどころだ。
ラトルの2度目のドビュッシーは、前回と違い有名曲で構成。しかし、前奏曲のオーケストラ版を収録しているところがラトルらしい。BPOの個人技も含め、非常に高精度の演奏となっている。
マレーシア出身の情歌王子が2007年にリリースしたフル・アルバム。甘くゆるやかに流れるメロディに、明るく柔らかく広がるヴォーカルに癒される亜細亜女子多数。今作は、作詞・曲&プロデュースを務めるなどアーティスト性も高い作品となった。
AC/DC約9年ぶりの待望の最新作が遂にリリース!!
3ピース・ガールズ・バンドのデビュー・シングルは、弾けるビートが気持ちいいストレートなロック・チューン。恋の行く末に戸惑い揺れ動く女の子の気持ちが、ヒトヒラのハナビラのようと歌われた、テレビ東京系アニメ『BLEACH』エンディング・テーマ曲。
『狂気の歴史』から『知の考古学』『監獄の誕生』と中期の作品を書き継いで脂ののりきったフーコーの初訳対話・講演集。自らの軌跡についてはあまり語らなかったフーコーが、学生時代、若手教授時代の雰囲気などにもふれ、率直にその仕事を語る2編の対話、カントの「啓蒙」と「批判」というテーマを正面から展開し、18世紀における知と権力の関係の画期的な転回を明らかにする白熱の講演、中世以来の施療院的医療体制が17-19世紀初頭にかけて近代的な病院=医学的知の体制に転換する過程をていねいに解明する講義2編を収める。70年代後半のフーコー自身による、格好の著作案内である。