本篇では、「茶の湯の名品」展、「日本陶芸100年の精華」展、「No Border」展より、室町時代から現代にいたるさまざまな日本美術の名品を特集して紹介する。また、「第5回新世紀宮廷芸術祭誌上展」では、二〇〇五年一〇月八日から一〇日にかけてオーストリアのインスブルックで開催された「第5回新世紀宮廷芸術祭」から、インスブルック王宮でのセレモニーの模様、展示風景、日本代表作家の品作などを紹介する。「書の美的表現展 誌上展」では、二〇〇五年五月二七日から二九日にかけてプラハ国立美術館で開催された「書の美的表現展」から、セレモニーホールでのセレモニーの模様、展示風景、日本代表作家の作品などを紹介する。
シュロモ・ミンツの芸術(13CD)
イタリア・ユニバーサルからシュロモ・ミンツのボックスが登場。ドイツ・グラモフォンへの録音をほぼ網羅したもので、小品何曲かとフォーレのソナタを除く全録音を収めています。あとディスク1枚分くらいなのでできればすべて収めて欲しかったですが、とりあえずお買得価格でまとまって聴けるのは朗報です。
ミンツのヴァイオリンはピュアな美音とクリアなフォルム形成を特徴としたもので、切れ味・リズム感も完璧、早くから指揮に取り組んだだけあってオーケストラとのやりとりも緊密であり、協奏曲では一体感のある見事な表現を聴かせることでも有名でした。
シュロモ・ミンツは1957年にモスクワに誕生し、2年後にはイスラエルに移住しています。幼いころからヴァイオリンの才能を発揮したミンツは、11歳のときにパールマンの代役としてメータ指揮イスラエル・フィルとパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番で共演、16歳のときには、ピッツバーク響との協奏曲演奏でカーネギー・ホールにデビューという経歴の持ち主。その後、アイザック・スターンの紹介により、ジュリアード音楽院の名教師ドロシー・ディレイのもとでさらに研鑽を積み、以後、世界的に活躍することとなります。
1980年には、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結んでレコーディングを開始、メンデルスゾーン&ブルッフ、パガニーニ、クライスラーと立て続けに話題盤をリリースし、1984年にはバッハの無伴奏で高い評価を獲得。翌1985年にはザルツブルク音楽祭でバッハの無伴奏の全曲演奏をおこなって大評判となります。以後、ミンツは世界各国の音楽賞を受賞するなど、その透明度高く美しい音色と高度な技巧により絶賛を博してきましたが、ドイツ・グラモフォンへの録音は1988年には終了、以後はアメリカのミュージックマスターズにヴィヴァルディのシリーズを、RCAにモーツァルトの協奏交響曲を録音したり、指揮者としてフランスのヴァロワにストラヴィンスキーの『兵士の物語』を録音するといった具合に、専属という形をとらない活動をおこなってきました。
ミンツはこれまでにチェリビダッケ、ジュリーニ、シノーポリ、バレンボイム、アバド、といった指揮者や、スターン、パールマン、バシュメット、ブロンフマン、マイスキーらと多数の共演をおこなっており、すでに世界的ヴァイオリニストとして揺るぎない評価を得ています。彼はまた18歳のときから指揮者としての仕事もこなしており、各国のオーケストラと共演しているほか、著名なコンクールの審査員としても活躍しています。(HMV)
【収録情報】
Disc1-6『協奏曲録音集』
● バルトーク:2つの肖像 BB.48b, Op.5 (Sz.37)
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音:1983年(デジタル)
● ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
● ベートーヴェン:ロマンス第1番ト長調 Op.40
● ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
フィルハーモニア管弦楽団
ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
録音:1986-87年(デジタル)
● ブラームス:ヴァイオリン協奏曲二長調 Op.77
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音:1987年
● メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
● ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
シカゴ交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音:1980年(アナログ)
● ラロ:スペイン交響曲 ニ短調 Op.21
● ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調 Op.37
● サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ズービン・メータ(指揮)
録音:1988年(デジタル)
● プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.19
● プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
シカゴ交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音:1983年(デジタル)
● シベリウス:ヴァイオイリン協奏曲ニ短調 Op.47
● ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調 Op.53
シュロモ・ミンツ(ヴァ
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エミーリオ・アリエータ:芸術歌曲全集
19世紀のスペインの作曲家、エミーリオ・アリエータの芸術歌曲を集めたCD。正確なところは分からないのですが世界初録音の曲が多く含まれていると思われます。アリエータはナヴァラのプエンテ・ラ・レイナの生まれ。マドリードで学んだ後、イタリアに渡りミラノ音楽院でイタリアの音楽を学び、1846年には最初のイタリア・オペラ『イルデゴンダ』を初演。その後マドリードに戻ってしばらくはイタリア直伝の音楽を書いていましたが、後半生はサルスエラに身を投じました。アリエータのCDはほとんどがサルスエラとそのアリア、それにイタリア・オペラが加わるだけで、当時人気を博した彼の歌曲はあまり顧みられませんでした。ここにCD2枚に彼の歌曲がまとまったことは大変意義深く、また未知の宝との出会いが生まれました。イタリア語ありスペイン語あり、音楽もイタリア風ありスペイン風あり、ともかくいずれも素敵な曲ばかりです。
ソフィア・エスパルサはスペイン、ナヴァラ州パンプローナ生まれのソプラノ。美声のソプラノで、スペインを中心に活躍しています。リナルド・ゾックはイタリア、トリエステ生まれのピアニスト。「ODRADEK」からはリストのヴェルディによるパラフレーズ集、アルトゥール・ピザーロと組んだドヴォルザークのピアノ連弾曲集、同じくベートーヴェンの4手ピアノ作品全集、ヘスス・ガルシア・レオス作品集と立て続けに録音が出ています。
※ブックレットに歌詞は掲載されておりません。
※CDの収録曲は34曲です。デジタル配信に含まれるボーナス2曲は含まれておりません。(輸入元情報)
【収録情報】
アリエータ:
● ジプシー女(第1版)
● 夕べに
● ある赤子の死に
● 漕げ!
● ジプシー女(第2版、ポロネーズ風)
● 運命
● コレラ伝染病
● 気紛れ
● 美女
● オアシス
● 憂鬱
● 追放された娘
● 湖上で
● 天才
● 欲求
● 悲哀
● 溜め息
● トルクワートへのエレオノーラの告別
● 君に!
● モリスコのセレナータ
● 棘のない薔薇
● 少女たちの眼差し
● 少女ひとり
● 親交
● 影
● レパントの海戦でのセルバンテス
● 捨てられた娘 第1番
● 春
● 国民の嘆き
● ああ、天の快さよ!
● 平和
● 哀れなグラナダよ!
● 独白
● 捨てられた娘 第2番
ソフィア・エスパルサ(ソプラノ)
リナルド・ゾック(ピアノ)
アリシア・グリフィツ・トゥリーリャス(ハープ:悲哀)
録音時期:2021年2月17-22日、12月7-9日
録音場所:イタリア、アブルッツォ州モンテシルヴァーノ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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モスクワのボリショイ劇場創立175周年を記念して製作された1951年製作の作品で数々の舞台が収録。伝説の“ボリショイ・スター”らが一挙に出演するので、ファンには永久保存版だ。
芸術はビジネスになりうるか?パトロン付きの芸術家に真に自由な表現は可能か?演劇がつくられるさまざまな「現場」での徹底した取材を通して、近代芸術成立以来の難問に挑む。斬新な視点と手法で現代社会におけるフィールドワークの可能性を示し、文化社会学の新境地を切り開く野心作。
感性と知性を統合させる教育改革の原典!教育・心理・造形の諸分野を横断する本書には、21世紀の「希望の原理」がある。
「芸術」という概念は、18世紀ヨーロッパにおいて「美学」という学問とともに誕生した。それゆえ、「芸術家」「芸術作品」「創造」「独創性」といった芸術にかかわる諸概念の形成も、この近代的な学問の成立と軌を一にしている。しかし、美学の確立へと人々を駆り立てた動因は何であったのか。その答えは制度としての美学それ自体の内に求めることはできない。なぜなら美学の外部にあるものが、その成立を支えているからである。前著『芸術の逆説-近代美学の成立』では、「芸術家」「芸術作品」などの近代美学を内的に構成する基礎概念の歴史を扱った。本書は、「所有」「先入見」「国家」「方位」「歴史」という美学の外の視点からその外部と内部の関係を描き出し、従来の美学史を批判的に検討する。新たな美学の構築にむけた芸術の概念史。
人間の心をダイナミックに解明したゲシュタルト心理学に基づいて、芸術的イメージの根源をさぐり、美術、音楽、建築、詩歌等の芸術作品から、地図、写真、コンピューター・グラフィックスまで、美的感覚の理解への具体的アプローチを示す。
20点の挿画と画家直筆のテクストが印刷された総合芸術作品『ジャズ』は出版直後から高い評価を得たが、挿画の原画である切り紙絵作品は「晩年の気晴らし」として、研究者の多くに近年まで等閑視され続けてきた。このマティスの切り紙絵の世界に新しい光をあて、芸術的書物『ジャズ』とは一体何か、主題、主法、時代性などあらゆる側面から問い直す。
芸術の産出力である構想力に着目し、シェリング芸術哲学を理論と作品分析の両面から議論する。カント哲学との比較、自然哲学との関係、芸術哲学の具体的側面という3つの観点から、シェリングの構想力概念を検討し、芸術哲学の新たな解釈の可能性を示す。