ヨーロッパ精神史のパースペクティヴのなかに、ロココから革命にいたる18世紀の芸術・思想・文化の総体を解明した画期的な労作。
深き森、清き流れ奥吉野の山々に悠久の時が流れる。奥吉野に自然の四季を追い続けて10年懐かしい日本(やまと)の原風景を見事に撮りきる俊秀のカメラアイ。
看護の視点で書かれた、初めての本格的な「病態の事典」がさらに充実!取り上げた症候名は約50、疾患数は113。病態、症状、治療、ナーシング・ポイントの必須事項を一目で確認できる。全章にわたり、ナーシング・ポイントの記述をいっそう強化・充実!最新の治療法・薬剤情報を盛り込み、臨床の今を伝える内容に。今後、重視されていく保健指導・生活指導にも対応できる。疾病予防として注目されるメタボリック・シンドロームを新たに追加。
冬の雑木林ー凍結した白一色の樹木の中で動くものは鳥たちばかり…。寂寞の世界をとらえた驚きのカメラアイ。眼をギラつかせ獲物を狙うハイタカの驚異を身を細め棒杭の一部になりきって逃れるモズ、羽毛全体が霧氷となったミヤマホウジロ。接写で初めて見える個性豊かな冬鳥たちの共演。驚きの生態記録。
樹液に集うミヤマクワガタ、オオムラサキ、スズメバチ、ルリタテハetc、クマゼミの羽化、ホソヒラタアブの交尾、珍蝶ヒサマツミドリシジミとの急接近、食うか食われるかの生存競争ー。早春から梅雨明けの雑木林を舞台に繰り広げられる虫たちだけの饗宴を辛抱強く狙い続けた著者による“決定的瞬間”の数々。
ドイツ・ロマン派オペラを絶頂に導くと同時に、現代の和声的語法の出発点を形成したワーグナーの芸術を、音楽・文学・演劇その他、広範な観点から描き出した労作。今回の新版では、生涯や作品に関する新説を紹介し、写真を多数追加した。
看護も分かる専門家が書いた初めての看護師向け病態の本。看護は知識を武器にして、技術で勝負する。だからこそ身につけておきたい「病態のすべて」。充実の109疾患。この1冊で、病態を踏まえた納得の看護ができる。
我々は何も知らなかった。演奏記録を徹底的に読み込み、解析、分析し、明らかにする巨匠の真の姿。録音でしか語られなかった時代の常識を覆す、驚愕の書!39曲を世界初演した現代音楽の伝導者にして、ユダヤ系音楽家と親交ある音楽家は、ナチス時代、どう変化したか。83の表と74のグラフでデジタルに解析。
戦後美術批評に新地平を拓いた土方定一とはどのような人物であったか。八方破れの土方の側近を務めたのち、衣鉢を継いで“カマキン”の館長となった批評家が、師の影を追慕する美術エッセイ。
20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とは何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。
デザインに関するランドの代表的な著作、1930年代から1980年代までの優れたグラフィック作品を幅広く集めたもの。1947年に刊行された名著『ポール・ランドのデザイン思想(Thoughts on Design)』の中のエッセイのほとんどは1984年にランド自身の手で書き換えられている。広告デザイン、コーポレート・アイデンティティ、デザイン教育、タイポグラフィなど、ランドが模範となる独創的な作品を生み出した分野におけるそれ以降の作品も、新たに加えた。それぞれの文章には実例として、ランドが尊敬する芸術家の作品だけでなく、ポスター、本のカバー、商品広告、企業の商標、パッケージ、内装などランド自身の作品も豊富に掲載している。
芸術の定義への壮大な思弁的企て。メタファー、表現、様式を体系的に説明し、平凡なものがどのように芸術になるのか哲学的に明らかにする、20世紀美学最大の成果。
日本の美術教育は、芸術家としての生き方・あり方にどのような影響を与えているのか。美大生の子ども時代から大学卒業までの人生を手がかりに、「芸術家になる」過程を社会学的な視点から描き出す。
フルトヴェングラーの新録音発見かと錯覚してしまう
フリッチャイの「ブラ1」
早世の天才指揮者フリッチャイはかなりの録音が残されてはいるものの、驚きの初出音源の出現です。
当アルバム中もっとも古いモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲ではきびきびした音楽作りが魅力ですが、1958年のブラームスの交響曲第1番ではフルトヴェングラーを彷彿させる魂をふりしぼるような情念と巨大な音楽作りに驚かされ、あたかもフルトヴェングラーの高音質盤が出現したのかと錯覚してしまうほど感動的です。もともとフリッチャイはDGに同曲を録音しておらず、またスイス・ロマンドとのカスカヴェル盤も入手困難なことを鑑みれば、この北ドイツ放響との音源がいかに貴重か納得できると申せましょう。さらに魅力なのは最晩年のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。メニューインの独奏も素晴らしく、熱い血のたぎる音楽となっていて興奮させられます。また、やはり正規録音のない『ハイドンの主題による変奏曲』も覇気と大きさで圧倒的。
まさにフリッチャイの芸術を満喫できるアルバム。本当に凄いです。(キングインターナショナル)
【収録情報】
・モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299
ハンス・シュミッツ(フルート)
イルムガルト・ヘルミス(ハープ)
RIAS交響楽団
録音時期:1952年9月17日
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
イェフディ・メニューイン(ヴァイオリン)
ルツェルン祝祭管弦楽団
録音時期:1961年8月16日
録音場所:ルツェルン、クンストハウス
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
北ドイツ放送交響楽団
録音時期:1958年2月2-3日
録音場所:ハンブルク、ムジークハレ
・ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
RIAS交響楽団
録音時期:1953年4月7日
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
録音方式:モノラル(ライヴ)
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ハリウッド弦楽四重奏団の芸術(15CD)
ハリウッド弦楽四重奏団は、レナード・スラットキンの父親で、ヴァイオリン奏者で指揮者のフェリックス・スラットキンを中心に結成された往年のアメリカのカルテット。
メンバー全員がロシア系移民の子孫で、ジュリアード音楽院もしくはカーティス音楽院の出身、全員、ハリウッドの映画スタジオのオーケストラで演奏していたことから『ハリウッド弦楽四重奏団』と名付けられた経緯があります。
彼らがキャピトル・レコードでおこなったセッション録音は、どれもよく旋律を歌わせ、明確な表情付けを伴った魅力的なものでした。
オリジナルの六重奏版での最初の録音となったシェーンベルクの『浄夜』での濃密で美しい演奏は作曲者を魅了したほか、ウォルトンやクレストンの作品でも作曲者を感嘆させた彼らの腕前は素晴らしく、代表作と目されるベートーヴェンとシューベルトでの見事な演奏を筆頭に、聴きごたえある演奏が揃っています。
当セットには、1949年から1958年にかけて制作されたキャピトル音源と、1957年のライヴ音源を収録。ハリウッド弦楽四重奏団がメインとなった録音のほとんどを聴くことができます。
【ハリウッド弦楽四重奏団】
フェリックス・スラットキン[1915-1963]は、カーティス音楽院でエフレム・ジンバリストにヴァイオリンを、フリッツ・ライナーに指揮を師事。卒業後は生地のセントルイス交響楽団に入団しましたが、1935年にはハリウッドボウル交響楽団を初めて指揮、1937年には、ハリウッド黄金時代でギャラの良かった20世紀フォックスのスタジオ・オーケストラで演奏するようになります。
第1期 [1939-1941]
1939年、スラットキンは、ワーナー・ブラザーズのスタジオ・オーケストラ所属でジュリアード音楽院出身のチェロ奏者、エリナー・アラー[1917-1995]と結婚。夫妻はほどなくカルテットの結成を計画。
ヴィオラ奏者に、カルテット経験者でワーナー・ブラザースのスタジオ・オーケストラで演奏していたジュリアード音楽院出身のポール・ロビン[1908-1970]、第2ヴァイオリン奏者に、同じくカルテット経験者で、20世紀フォックスやコロンビア・ピクチャーズなどのスタジオ・オーケストラで活動していたジョアキム・チャスマン[1901-1990]を起用してグループ結成に漕ぎつけ、アメリカ西海岸を中心に、スラットキン、チャスマン、ロビン、アラーの面々でコンサート活動を開始します。
しかし第2次世界大戦にアメリカが参戦すると、スラットキンがアメリカ陸軍航空軍のオーケストラの指揮者になるなど、男性メンバーはエンターテイメント要員として兵役に就くことになったため活動を休止。
第2期 [1945-1955]
戦争が終わるとハリウッド弦楽四重奏団は活動を再開。第2ヴァイオリンはジョアキム・チャスマンからポール・シュアー[1921-2011]に交代。シュアーはカーティス音楽院出身で、フィラデルフィア管弦楽団の楽員を経て20世紀フォックスのスタジオ・オーケストラのアシスタント・コンサートマスターを務めていた人物。
1955年にメンバー変更するまでの10年間は、スラットキン、シュアー、ロビン、アラーの4人でコンサート活動のほか、米キャピトルへのレコーディングをおこなっていました。ちなみに、ピアノ五重奏曲などで演奏しているヴィクター・アラー[1905-1977]は、チェロのエリナー・アラーの兄で、同じくハリウッドのスタジオを中心に活動していました。
この第2期の録音では、以下の作品を聴くことができます。
●ボロディン:弦楽四重奏曲第2番
●ヒンデミット:弦楽四重奏曲第4番
●プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第2番
●ウォルトン:弦楽四重奏曲イ短調
●ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第6番
●ポール・クレストン:弦楽四重奏曲
●チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番
●ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲
●トゥリーナ:闘牛士の祈り
●ヴォルフ:イタリア風セレナーデ
●シェーンベルク:浄夜
●ラヴェル:序奏とアレグロ
●ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
●シューベルト:弦楽五重奏曲
●ブラームス:弦楽四重奏曲第2番
●フランク:ピアノ五重奏曲
●ブラームス:ピアノ五重奏曲
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コンヴィチュニーの芸術(20CD)
往年のドイツの名指揮者フランツ・コンヴィチュニーが遺した録音から注目度の高い演奏を集めたボックス・セット。ステレオが13枚分、モノラルが7枚分の計20枚組で、ステレオ音源の多くはライプツィヒのベタニア教会でセッションを組んで録音されているため音質は良好な水準にあり、当時のゲヴァントハウス管弦楽団の独特な魅力を持ったサウンドを大量に楽しむことができます。また、モノラル音源も状態の良いものが多く、特に、ライプツィヒ放送響とのベートーヴェンの交響曲第4番、第5番、第9番や、シュターツカペレ・ドレスデンの『英雄』、ショスタコーヴィチなど聴きごたえがあります。
【コンヴィチュニーの芸風】
コンヴィチュニーの音楽は、自身の若き日のオーケストラ楽員や弦楽四重奏団員、教育者としての経験に加え、オペラの練習指揮者から叩き上げた指揮者としての揺るぎのない自信が反映されたものと思われ、実際に聴いてみると、楽譜に対して客観的に誠実に取り組んでいるものが多く、ゆったり目のテンポでスケール大きく描きあげられた演奏は、オケの音色もあって実に魅力的。
当時のコンサート・オーケストラは大編成での演奏が主流だったため、存在感ある弦楽サウンドもコンヴィチュニー&ゲヴァントハウス管弦楽団の特徴ともなっており、ベートーヴェンの大フーガやモーツァルトのアダージョとフーガ、そしてブラームスの交響曲第1番など、重量感ある仕上がりが独特の味わいを醸し出しています。また、ライプツィヒ放送交響楽団を指揮した演奏でも同様の傾向があったことが確認できるほか、シュターツカペレ・ドレスデンとの演奏では、さらに柔軟な魅力もあったことがよくわかります。
【コンヴィチュニー・プロフィール】
ヴァイオリンとヴィオラを学んだフランツ・コンヴィチュニー[1901-1962]は、22歳から24歳までの3年間、ライプツィヒ音楽院で勉強しながらライプツィヒの歌劇場やフルトヴェングラー時代のゲヴァントハウス管弦楽団でも演奏経験を積んでいます。
卒業後はウィーンに移り、フィッツナー弦楽四重奏団のヴィオラ奏者として活動する一方、フォルクス音楽院で教職に就いて、ヴァイオリンと音楽理論を教えて過ごしていました。
しかし26歳の時には、コンヴィチュニーは指揮者になることを決意し、まずシュトゥットガルト歌劇場の練習指揮者の職を得ます。下積みを経て頭角をあらわしたコンヴィチュニーは、3年後には同劇場の首席指揮者に就任、32歳でフライブルクの音楽総監督となり、その後、フランクフルトの音楽総監督として劇場と演奏会を指揮、戦後はハノーファーとハンブルクで指揮し、48歳のときにゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者に就任。60歳の時、演奏旅行先のベオグラードで「ミサ・ソレムニス」のリハーサル中に倒れて亡くなるまで同楽団と充実した活動を展開。
その間、52歳から54歳のときにはドレスデン国立歌劇場の音楽監督とシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も兼任、54歳からはベルリン国立歌劇場の音楽監督も兼ねるという東ドイツ最高の指揮者として大活躍していました。
【ゲヴァントハウス管弦楽団のシューマン交響曲全集、序曲集】
オーケストレーションに問題ありといわれるシューマンの交響曲ですが、ここで聴けるぶっきら棒なまでの重みのあるサウンドは、シューマンの音楽のはらむ魅力のひとつでもある野趣をよく伝えています。名手ペーター・ダムらのホルンが見事なコンツェルトシュテュックも聴きもの。ステレオ。
【ゲヴァントハウス管弦楽団のベートーヴェン交響曲全集、序曲集、合唱幻想曲】
シューマンと同じく重量級の往年のゲヴァントハウス・サウンドを楽しめる名録音ですが、一方で第九終楽章のファゴットのリリカルな美しさなども心に残ります。ステレオ。
【ゲヴァントハウス管弦楽団のブラ1、大フーガ、アダージョとフーガ】
ブラームスの交響曲第1番は、重厚長大の見本のような融通の利かない不器用さを地でいく味のある演奏。当時のゲヴァントハウス管弦楽団の弦楽の重みの魅力を感じさせるベートーヴェンの大フーガと、モーツァルトのアダージョとフーガは作品のキャラクターを強調するかのような響き具合がたまりません。ステレオ。
【ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナー交響曲第5番】
コンヴィチュニーの自在な解釈
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