丸木位里・俊“原爆の図”、ベン・シャーン“ラッキー・ドラゴン・シリーズ”、こうの史代“夕凪の街 桜の国”、ヤノベケンジ“サン・チャイルド”-1945年の広島・長崎への原爆投下から2011年の福島原発事故まで、核はどのように表現されてきたのか。忘却に抗い、核の脅威を視覚化し続けてきた「非核芸術」の系譜をたどり、人間と核との関係をあらためて問い直す。
我々を魅了する物憂げな女性たちー。本書は無二の美人画を描き続ける異才・池永康晟の狂おしいまでの愛と渇求の記録である。独学による日本画技法を駆使した、初期作から最新作までを一望する初画集。
壊滅的打撃を受けた宮城県女川町と、存続の危機に立ったコバルトーレ女川。救援活動に取り組み、チームの活動停止後もボランティアに務めた選手たち。GMとして選手の生活のために奔走しながら、新聞を避難所に無料配布し続けた地元新聞社の社長。社員を解雇することなく社業を立て直し、クラブを支援し続けたスポンサー。町の復興をスポーツにかけ、一億円をかけての競技場改修を決断した町長。「地域とともに生きる」の理念のもと、サッカーを中心に1つとなった町が、日本のスポーツ界に新たな道筋を示す。
世界屈指の博物館V&Aが有する珠玉のジュエリー・コレクションでひもとく、ヨーロッパ500年の宝飾品の歴史。膨大なコレクションから精選した美しい宝飾品の数々を鑑賞しながら、ヨーロッパの伝統が培った豊かな宝飾文化の流れを概観する。
北海道に生まれ、世界を相手に音楽を創り続けた男。時代を超えて人の心を打つ、大きく深い永遠の生命。肉声と時代を刻印できた、ただ一冊のドキュメント。
生命あるものが、何故にかくまでも美しく存在するのか…。その疑問を、恐竜・クジラから犬まで、多彩な花々と草木、チョウや昆虫、そして魚や貝殻など、多種多様の形態を見較べ、独自の手法によって探究する。あらゆる「かたち」は、最も美しいプロポーション“黄金分割”比率へと収斂することを解明し、自然界のダイナミズムと調和の意味するものを、全くユニークで大胆な思想へと構築する。
新たに40テーマを厳選。生命倫理、徴兵制、気候工学、素粒子の世界、武士道、ギリシャ神話、歴史哲学、食品添加物、ナッジ理論、金融工学、為替操作…。関連用語や解説も豊富に掲載。
油彩画の古典技法をベースに“現代の写実絵画”を探求し続ける画家・小尾修。技巧冴え渡るその作品世界は、息をのむほどの迫真性を帯び、その場に居合わせるような臨場感を伴う。本書は、情熱ほとばしる初期作から、新境地のオイルスケッチまで、小尾の果敢な企てを記録した初画集である。
超広域(一府一〇県)、まれに見る大公園!!“瀬戸内海”はいかにつくられた?明治から戦前期の地図や絵葉書、案内書、広告などを探索。
1970年に開催され、6,000万人以上を動員した大阪万博。太陽の塔・せんい館・鉄鋼館といったパビリオンの内容や武満徹ら芸術家の活動、具体美術協会などの動向を取り上げて、これまで語られなかった大阪万博と前衛芸術との関係性を分析する。海外の万博の成果も取り込みながら、音楽・映像・照明・機械で「未来」を演出した大阪万博の現代的な意義を浮かび上がらせる。
本書は、ベストセラーとなった『文化経済学入門』の続編として書かれたものである。「文化遺産の保存と活用」や「芸術支援」といった古典的な文化政策を超えて、文化産業や著作権、国際貿易等の幅広い分野を対象として解説する。グローバル化と情報化という大きな社会変化によって文化政策はどう変容しているのか?その現況を平易な言葉で解説したテキストの待望の翻訳である。
昔語りのなかに時を越えて死者と生者が入り混じる…著者初の時代物短篇集である表題作、豊かな趣向を凝らした「化蝶記」の2冊を収録。