天下一の茶匠、千利休の全貌。桃山茶湯の大成者が求めつづけた世界とは何か。秀吉によって自刃を余儀なくされた悲運の芸術家の謎の生涯をドラマチックに追う。オールカラー、収録図版230余点。
芸術はビジネスになりうるか?パトロン付きの芸術家に真に自由な表現は可能か?演劇がつくられるさまざまな「現場」での徹底した取材を通して、近代芸術成立以来の難問に挑む。斬新な視点と手法で現代社会におけるフィールドワークの可能性を示し、文化社会学の新境地を切り開く野心作。
自然の生態系への理解に基づく循環立体農法を提唱し、伝統農法を活かした無農薬栽培法、農業養鶏法に基づく天地農場を主宰する久門太郎兵衛氏の百姓人生80年の記録。賀川豊彦、杉山元治郎、藤田菊次郎、ビル・モリソンら農業指導者たちとの交わりと思い出を通して、農法と自然への畏敬の念を伝える帰農者へのメッセージ。21世紀を迎える今、オーガニックに生きるとはどういうことか、あらためて伝統農法実践者の「有機農法」に耳を傾ける人々に贈る。
風刺と諧謔。芸術を語り、マンガを論じ、人物を評した辻まことのもうひとつの素顔。
本書は、やきものの中でも特に人気の高い「織部」の作り方だけにテーマをしぼり、基本の基本から紹介した陶芸の技法書です。
技巧の頂点を極めた本格派の巨匠円熟の作品群!傑作中篇「金貨の首飾りをした女」他、全8篇!「風の証言」の原型となった中篇「城と塔」を初めて収録。
本書では、世界で最も影響力のあるソニーデザインセンターの内部を初めて紹介するとともに、これまで紹介されていない21世紀のソニー製品を見ることができる。100件以上もの新製品、コンセプト、プロトタイプについて考察しており、ソニーの21世紀の製品ラインを見渡すことができる。さらに、デジタル技術への変遷に伴う、企業テクニックとデザイン哲学についても解説する。
芸術家が創造するとき、脳の中で何が起こっているのか?絵を凝視するときには、どんなメカニズムが脳の活動を支配しているのか?美的快楽というこの奇妙な、きわめて強い感情はどこから生まれてきたのか?人はそれを説明することができるのだろうか?長い間、芸術的創造は謎とされてきた。しかし20年ほど前から、神経科学と認知心理学の貢献により、その謎は深まるどころか、徐々に解明されている。脳のエキスパートであり偉大なコレクターでもあるジャン=ピエール・シャンジューは、あまり知られていない国内外の傑作をちりばめた本書の中で、われわれをまさに創造のプロセスの中心にある素晴らしい「哲学的冒険」に招待してくれる。
書画、篆刻、陶芸、染色ばかりか料理にまで、類稀な才能を発揮した魯山人も、その人となりについてはさまざまな雑言を浴びせれらている。だが、はたしてそれは本当の彼の姿なのだろうか。新たな取材をもとに、今、その真実に迫る。
「個」の精神世界の語り得ぬ深奥ー人間の内なる「野性」の発見。十余年にわたるフィールドワークをとおして得た貴重な“体験”をシャーマニズム的世界とアートに共通する“官能”的世界を言語化!異質なコミュニケーションに「愛の論理」を探る“公案”的パロール。
フランスで鍛えた「プロの食べ手」だからわかる本物のおいしさ。時間をかけて一つひとつ、自分の舌で選んだ名品のケーキ。
数学と芸術は、どのような共通点をもつであろうか。一般に、絵画や彫刻は目で鑑賞し、感性的に反応するものであり、数学は頭脳と知性で対応するものだ、と言われる。確かに、このような側面もある。しかし、感性と知性という両極端に、これほどはっきりと裁断できるものであろうか。本書は、これらの問題に答えて、パルテノン神殿から現代の抽象芸術まで主に視覚芸術を対象に、そのなかに数学的思考・精神の流れをさぐろうとする。たとえば、シンメトリー、ハーモニー(調和)、プロポーション、運動、構造などの概念を、文化史的・精神史的に考察する。読者は、本書のこのような考察を通じて、人間の創造行為のすばらしさに驚嘆されるであろう。知的スリルに富む、エキサイティングな小篇である。
日本人の心情を描きだした静謐な映像美で、世界に類を見ない芸術を創造した小津安二郎。その全作品をあらゆる角度から分析、詳細なデータも収録した「完本」版小津論。「東京の合唱」「生れてはみたけれど」など初期作品から「麦秋」「東京物語」「秋刀魚の味」など代表作まで、その全魅力を探る。
1970年代、有機的な組替えやズラしによって、外の空気を浸透させ他を受け入れる作品を精力的につくり、あるがままをアルガママにする仕事をした「モノ派」、その運動の柱として知られ、国際的に活躍する李禹煥の著作を集める。そして著者自身の芸術について、セザンヌやマチスに始まり、ゲルハルト・リヒター、ペノーネ、若林奮、白南準ら現代芸術の旗手たち、古井由吉や中上健次などの作家たちについて、そして、ものと言葉について…自分と、自分をとりまく外の世界。その境界にあたらしい刺激的な見方を開く。
スポーツというアート-美と物語がそこにある。スポーツ・武道・芸術・物語をめぐるユニークな文化社会学の試み。
聖なる女性の再発見。太古の時代から現代にいたる世界各地の女神像99点を収録。その歴史的・神話学的・人類学的・スピリチュアルな背景を美しい文章で解説し、いのちを産み育む女性のうちに息づく叡智と力強さ、創造性、セクシュアリティを21世紀に甦らせる。
山田風太郎の単行本未収録作品を全三巻に集大成したファン待望のコレクション、ついに登場!第一巻には、奇抜なトリックが冴える表題作「天狗岬殺人事件」、名探偵エラリー・ヴァンス氏と思考機械、ヴァン・ドゥーゼン教授が、それぞれ究極の密室に挑む「二つの密室」などの本格推理から、現代の若者が江戸時代にタイムスリップしてしまう「江戸にいる私」、不随意筋を操れるようになってしまった男の悲喜劇「こりゃ変羅」などのナンセンス奇想小説まで、バラエティ豊かな17篇を収録。