ラジオの配線図をめぐっての謎解きが秀逸な長編「殺人配線図」、タイプライターのトリックが意表をつく「死の花の咲く家」、謎が謎を呼ぶ身代金誘拐事件を描いた「乳色の朝」など、本格推理小説全5篇。犯人当て懸賞付き小説「みずほ荘殺人事件」には、話題となった評論家・平野謙氏との論争や、江戸川乱歩氏のコメントも掲載。著者自身による貴重な作品ノートももれなく収録、吉村駿作シリーズの全てを網羅した決定版。
フィボナッチ数、黄金比、シンメトリー、透視法…あの名画にしかけられた美の法則が次々と明らかに。しかもそれは自然界の至るところに隠されていた。レオナルド・ダ・ヴィンチの美の法則に迫る。
芸術とは論じるものでなく、行なうものだ。この持論に基づき、六〇年代のネオダダ、千円札事件から八〇年代の超芸術トマソン、路上観察へ。絶えず人々を挑発し続けてきた著者が、ついに到達した侘び寂の境地にて最も根源的に「芸術」を再定義する試み。既成概念に風穴を開ける、赤瀬川流脱芸術の原点を示す名エッセー。
人気の高い100シリーズの室内楽編。いくぶん地味なジャンルだが、100シリーズで美味しいところをピック・アップして並べると、実にお洒落な雰囲気が室内に広がる。EMIの擁する一流演奏家による名演集。
2006年夏。再生を果たした『明日の神話』。メキシコの地で原爆をテーマに描かれたこの作品には、まぎれもなく岡本太郎からの強力なメッセージが込められている。彼はいったい何を叫んでいるのか。修復完成以前から『明日の神話』と向き合い、その再生を見守ってきた者たちは、誰ひとりとして、この作品を単なる反戦のメッセージとは受け取らなかった。彼らは何を感じ、何を思ったのだろうか。岡本太郎「明日の神話」修復960日間の記録。
子育てに命をかけるトゲウオ、ジュゴンとウミガメの恋…自然界は「驚き」と「感動」で満ちている。
大地震と巨大津波、集中豪雨と巨大台風が、日本を、地球を、壊し始めた…。だからこそ伝えたい、大災害時代の危機に立ち向かう人々の、命をも賭した感動の「33の見事な大仕事」。
花の都フィレンツェを歩いてみましょう。ヴァーミリオン・レッドの屋根瓦に彩られた小さな街のそこかしこで待ち受けているのは、めくるめく眼福。本書では、なにげない石材から美術館の名品まで、必見の55点を精選して紹介します。
食に関する知識・学問からフランス語、芸術と食文化まで、食を中心に広がる教養の世界。
大学アカデミズムや人文主義者を中心としたルネサンス像に抗し、16世紀ヨーロッパの知の地殻変動を綿密に追う。『磁力と重力の発見』から4年、画期的書き下し。
映画女優鳳千代子の最初の夫笛小路泰久が、軽井沢のプールで死体となって発見された。千代子の二番目の夫で新劇俳優の阿久津謙三は、その数ヶ月前に不慮の事故で落命。そして今度は、千代子の三番目の夫、洋画家の槙恭吾が殺害される。この事態に、千代子の現在の恋人飛鳥忠煕は、金田一耕助に調査を依頼するのだが…。書下し長篇探偵小説全集(講談社)の一冊として一九五五年に執筆予告、その後長期にわたる中絶期間を経て、七四年、堂々完成。横溝ブーム到来の中で、作家として見事復活を遂げた著者渾身の大作。
美人画の乱舞、奇抜なるデザイン、目をみはる印刷技術の饗宴ー印刷と広告、2つの視点から日本近代のポスター文化を紹介する画期的ヴィジュアル・ブック。原色図版160点あまりを満載。
信長が息子を託した男-森蘭丸の実兄にして織田信忠の重臣・森武蔵長可。伊勢長嶋を初陣に、信忠を補佐して甲斐・信濃の名門武田家を制圧し、信忠を信長の後継者にのしあげた、絶世の美男子ながら苛烈ないくさぶりの武将。本能寺の変で無政府状態となった東美濃。混乱に乗じて襲いかかる、かつての部下や同僚たち。つかの間の安息に身をまかせるも、小牧・長久手で散った。信長-秀吉の転換期に生き、血の涙を流してたたかい、「鬼」と恐れられた悲運の猛将の生涯の物語。
キライ、忘れた、難しいというアナタに。マンガでわかる入門書。
行進、曲芸、ダンスから絵画、音楽、建築、散文までー。人間が人間として日々を生きるということと、芸術活動や芸術作品のありかたを常に結びつけて考えたアラン。第一次世界大戦に従軍し、戦火の合い間に熱意と愛情をこめて芸術を考察し、のびのびと書き綴った芸術論。
「芸術家の夢は、美術館にたどり着くこと。デザイナーの夢は、市内のスーパーにたどり着くこと」。二つの創造活動を比較して明らかになる、モノづくりの精神。