富岡鉄斎、奥村土牛、須田国太郎、東山魁夷、平山郁夫、高山辰雄、白川義員…そして庭苑、茶の湯。「宇宙的宗教感情」を追い求めた哲学者の愛した美をめぐる論攷。
記憶の迷宮へといざなう衝撃的な演劇空間と、半世紀にわたる芸術的自伝。ポーランドの生んだ今世紀最高の演出家カントールの世界。本書の前半は、『ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ』、『芸術家よ、くたばれ!』、『私は決して戻らない』という80年代のカントールの代表作のイメージ・スクリプトと、『私は決して戻らない』の公演期間中にニューヨークで行ったインタビューからなっている。後半は、現在の時点から、カントール自身が、半世紀にわたる自分の芸術活動に対してつけた詳細なコメントから構成されている。
〈モダン〉の圏内にあった芸術に60年代後半、地殻変動が生じ、やがてポストモダン芸術が登場する。今、両者のせめぎ合いのなかから再び新しい胎動が始まる。現代をいろどる様々なドラマ。
中医学の一般的知識、薬膳の素材、薬膳による病気の予防と治療、料理法などを具体的に解説。東・西医学に通ずる専門医が著すわが国初の「薬膳」の書。
近年の哲学思潮の中でニーチェへの再評価は目覚しい。世紀末を迎える現在ニーチェの唱えたニヒリズムの思想は、現代人の心の奥に潜む絶望感と深く呼応するばかりか、現代社会への鋭い警鐘としても充分先駆的である。
野球大好き少年の江戸っ子“英ちゃん”が、名人の父・五代目百之助から六代目を引継ぎ父子二代の研究で、篠笛は世界に通じる現代楽器に成長して行く…。芸歴60年の笛の名手が“日本の音”の秘密を解き明かす芸道一代記。
入門から上級まで、体系的学習を目指した本講座の最終巻。ハングル学習の総仕上げとして、漫画・新聞記事・詩・小説など、現在の韓国とそこに住む人々の考え方が如実に表われたテキストを読み解く。韓国の言語と文化が総合的に学べる一冊。
眼下のフォルムは感動的に美しい。これは、空撮の名手ゲルスターが長年撮り続けた航空写真を集大成したものである。地球の顔にも“喜努哀楽”の表情がある。
なぜ、人間は白鳥をシンボル化したのか。古代ギリシア・中世・19世紀ヨーロッパの神話・芸術へ熱いエネルギーを照射し続けた、その姿態が放つ多様なメッセージを集積する。
日常おこなわれる〈あいさつ〉の言葉、話し手と聞き手を結びつける〈話し方〉の技術、〈ことわざ〉〈なぞなぞ〉から〈歌〉や〈物語〉の成立へ、くらしの中の言葉が芸術へと高められてゆく姿を追う。新語・流行語の作りだされる世相を探った一章を加える。
貧しくて靴も買ってもらえなかったミーシャ少年は、やがて南ロシアの片田舎から長い汽車の旅をへてモスクワ大学へ。ライサとの学生結婚、そして地方書記から党の階段を登りつめ、チェルネンコの後を継ぐや、たちまちにして世界中の期待を集めてしまった。彼は今、何をやろうとしているのか?たった1人で世界を変えた男の半生記。
竹ひと筋に90年。芸歴70余年、卒寿(90歳)を迎える今日なお現役、尺八界唯一の人間国宝島原帆山師が語る、幾山河の人生と奥深い芸談。
モノ、情報、大衆文化、そして、電子メディアに包囲された現代芸術に出口はあるのだろうか。芸術をめぐる白熱の討論。