東北の被災地に住みついた芸大生、タコツボ無人販売所を開く陶芸家、廃屋の記憶をウクレレとして保存する工芸家…。生きる技法としての芸術のもつ可能性を、臨床哲学者が論じる。コロナ禍の時代にもひびく、芸術が開く新たな社会性についての注目の評論。
描画材の扱い方や表現技法といった基礎的な能力を高め、子どもの描きたい意欲を引き出すことで、どの子も無理なく描きたい絵が楽しく描けるようになる。長年にわたる実践・研究をもとにした3〜5歳児の発達を踏まえたカリキュラムによる確かな指導方法と実例を紹介。
なぜ世論は分断されるのか。文化事業、文化施設関係者、行政の文化担当者に向け、一個の視点から全体を俯瞰し、言及し分析し、総括する。
「私は長く、彫刻と社会とのあいだに、新しい関係がつくりだされなければならないと考えてきた」見果てぬ場所。誰のものでもない場所。庭は、文化の原器であり、人間の原器である。
章立て:序章として明治・大正前半期をまとめる。1930年代以降、10年間を一区切りとし、第1章から第7章まで各ジャンルを論じ、各章の冒頭にその時代状況と芸術のかかわりについて解説。終章として2000年代にも触れる。「美術」を中心に幅広く芸術ジャンルを扱い、解説。ジャンルは、美術、版画、イラストレーション、写真、工芸、デザイン、ミュージアム建築、実験映像・アニメーション・マンガ、いけばな、パフォーミングアーツ、書の11項目。各章本文は作家を中心に名鑑的に扱い、作家紹介は略歴と掲載作品の解説を主とし、カラー図典として活用できるように構成。巻末に「資料編」として、年表、図版リスト、人名索引他を付す。
沸騰する大衆のエネルギー。“プロレタリア文化運動”は、1920年初めから30年代前半にかけておこなわれた芸術運動・大衆啓蒙運動・地方文化運動である。本書は、近年発掘されたガリ版刷りのビラ、チラシ、チケットなど運動の最前線で使われた多様な資料を駆使しながら、文学・運動理論・演劇・美術・宗教・メディア・ジェンダーの側面から検討し、近代資本主義の矛盾と対峙した人々の足跡を明らかにする。モダニズム研究の新局面。
芸術と哲学の関係はいかなるものなのか?芸術を真理との関係から問い直し、ダンス、映画、演劇、散文、詩を例に作品でも作者でもなく出来事的な切断によって先導される“芸術的布置”の次元を見定める渾身の芸術論。
オランダの造形運動デ・ステイルを主宰したドゥースブルフの造形芸術論。「友と敵に」ささげられた本書は、新しく登場した抽象絵画に対する一般観衆の無理解と攻撃に対し、芸術作品一般の原理に基づき作品の見方を解き明かす。運動の普及に情熱を注いだ彼は、20年代初めヴァイマールに滞在しバウハウスの機能主義的デザインに影響を与えた。本書はバウハウスとデ・ステイル双方の友情のしるしである。
詩人、文豪、画家、音楽家。猫を愛した作家たち。彼らはどんなところに暮らし、猫をどう描いたか。文学作品・美術作品に登場する猫を求めて、パリを1区から20区まで歩きましょう。パリ上級者のために、猫がご案内。