本書は二つの記念碑的講演を収めている。一八五七年七月十日と十三日、ラスキンはマンチェスターで二つの講演を行った。彼はのちに自分の生涯を貫く主要な真理はここで最初に示され、その後の芸術の政治的影響について書いたことはこれら最初の講義の拡大にすぎないと語っている。ラスキンは美術・工芸の例を示して、働く場は競争ではなく協力の場となるべきであり、働く人々は自分に最もふさわしい仕事に就くよう配慮されるべきであり、父権主義の政策下、国家は模範的な雇用主であるべきと定義した。この見解は独創的で異端であり世上の評価は氷の矢となって放たれたが、ビクトリア朝中期の希望的な精神とよく一致し、ウィリアム・モリスをはじめ多くの賛同者と後継者を生んで、今日の再評価の気運につながる。
私たちの時代の感性がここに幕を開ける!19世紀は自らの内部に新たな想像力の源泉を見つけた。美術史の碩学が自選した評論により“近代”から“現代”に至る芸術の道筋を示す決定版。
ミケランジェロは、イタリア・ルネサンスのもっとも重要な芸術家の一人と考えられています。孤独を好み、休むことなく仕事をした彼は、彫刻家であり、画家であり、建築家であり、そして詩人でした。この多くの才能をもった天才の世界にようこそ!
シュタイナー教育の担い手である教師たち22名にインタビュー。教師たちの複数の目を通して、シュタイナー学校における日々の教育実践のあり方を紹介します。
宇宙を把握しようとする試みから生まれた科学と芸術は、古来より渾然一体となって発展してきた。両者のクロスオーバーに着目することで、人間の新たな可能性を探る。未来を開く14の視座。
気鋭の作家/キュレーター/研究者22人による論考+インタビューによって、帝国主義が隠蔽してきた“芸術”、そして“日本美術史”なるフィクションを解体=再編し、読みかえを迫る出色の論集。
スティーブ・ジョブズは禅だけでなく日本の新版画にも影響を受けていた。これからのビジネスにアートの要素が不可欠な理由とはー。
ミューズ=画家と恋愛関係にあった美女、ではない。ポーズをとるだけの従属的な存在でもない。美術史に残る名作を生み出す力となったミューズの真相と功績を解き明かす。
トップレベルの表現技術から学ぶ、惹きつける演技の極意!思い通りの動きを可能にする体づくりから差をつける手具操作、減点を避ける工夫まで。求められる採点要素がきちんと理解でき、細やかなポイントまで意識が届く!
複雑な歌をうたおうと、練習にいそしむ小鳥、アクションペインティングさながら夢中で絵を描くチンパンジー、2万年余にわたり、洞窟の暗闇にみごとな絵を描いてきた私たちの先祖…。なぜ美しいものに魅了されるのか?失語症になっても歌ならうたえるのはなぜか?脳の病がもたらす芸術的表現とは?左手がひらいた新たな音楽的境地とは?能の秘伝に託された身体芸術の極意とは?生物研究や乳幼児の発達の観察、リハビリテーションの現場での知見、認知科学や脳神経科学などの最先端の成果と、アートシーンの最前線における体験的考察により時代や地域性を超える力をもつ芸術の妙をあかす。
ナチズム芸術/モダニズムという二項対立は戦後の言説によって、強く規定されてきたのではないか。ナチズムの芸術表象について踏み込んで分析し、ナチズム芸術をもっぱら退行的とする議論やナチズムのイデオロギーからのみ語ろうとする単純化された議論を超えて、ナチズム芸術の多層性と同時代性、さらには現代性を明らかにし、ナチズムの脱神話化をはかる。
ライブとは何か。ネットで音楽を聴くとき、われわれは何を体験しているのかー哲学、バイオアート、科学技術史、メディア論、音楽学の立場から、メタバース時代の音楽の可能性を問う!