人類に発生した「心」の起源に迫る野生のサイエンス。人文諸学の再構築を目的とした芸術と人類学の創造的な融合。前人未到の表現空間が今、ここに拓かれる。
芸術を愛する花騎士カルセオラリア、リシアンサス、ユリ、サフランの四人は飛行船の事故に巻き込まれ、ロータスレイクに不時着してしまう。そこで物語、芸術を愛する憲兵隊長ハバネロに出会い、すぐに意気投合する彼女達。しかし、ハバネロは周囲や芸術に否定的な親友ジョロキアを気にして趣味を隠していた。ところが、そのことをジョロキアに知られてしまい、二人の友情に亀裂が入ることに!?
イタリア・ルネサンスの美術を知るうえで最も重要、かつ読み物としての面白さを兼ね備えたヴァザーリの『芸術家列伝』は、ダンテの『神曲』とならぶ古典として知られている。その中より前期ルネサンスを代表する九名の画家の伝記を収録。
良寛の書はなぜ美しいのか。従来の宗教的良寛像を根底から見直し、純粋な芸術的営為のありようを照射。その造形的天分と詩的思想的資質の絶妙な融合を読み解く。
戦後に花開いた日本映画の担い手たちは、元をたどれば共通の歴史的・文化的体験を有している。東宝が映画を用いて行った戦時下の「文化工作」もその一つであり、あの手塚治虫もまた、それら先鋭的な映画理論やロシア・アヴァンギャルド運動を貪欲に吸収した人物であった。本書では、種々の新史料の発見を通じて、手塚をそれら戦時下のメディア理論の文脈から新たに捉え直すことで、彼の戦後の営みを再解釈せんとするものである。執筆にあたり助力を得た映画史家・牧野守氏の貴重なインタビューや、氏が執筆したTVアニメ『鉄腕アトム』幻の第一話脚本も収録。
20世紀美術を動かした真の芸術家たちは誰かー。近代芸術はいかに展開したか、その根幹から把握する、美術史的傑作。
芸術作品は、日常生活に回収される道具と異なり、世界と大地との亀裂の狭間に真実を顕現させる。哲学の「別の原初」を指し示し、ハイデッガー後期思想への「転回」を予示した記念碑的作品。
ポンパドール公爵夫人が愛した「ポンパドールピンク」。19世紀のパリを彩った「ロートレックオレンジ」。江戸の日本にも知られていた「プルシャンブルー」。ルネサンスの画家に愛された「ネープルスイエロー」。「ギリシャの緑」を意味する「ヴェルディグリ」。…色の由来に触れて、西洋の奥深さに出会う186のストーリー。
創造する脳がどのようにつくられ、いかに芸術を生み出すのか?科学者であり芸術家でもある著者が、最新の脳研究から新たな境地へ挑む!
ヒトは二足で歩き走り、ことばをしゃべり、物語を作り、絵を描き、歌い踊る。火を使い、道具を作って使う。神や霊を畏れ敬い、儀式を行なう。同じ祖先から別れたチンパンジーと比べてみると、その奇妙さは歴然としている。この数々の奇妙さは、いつ、どのようにして生じたのか?進化心理学の成果をもとに、人間の本性の新たな見方を提示する一冊。
東洋文化の精華・綜合芸術である茶道の『感応の美』は、時代を超えて生き続ける。茶道実践者にして、はじめて可能な茶道と易思想の解明。
松割木の薪を使って登窯や穴窯でしっかりと焼締められ、あるいはたっぷりと自然釉の掛かった作品を焼くことは、アマチュア陶芸家の憧れのまと。本書では、プロの陶芸家の窯の作り方や、実際に薪窯でどのように焼成するのかを指導。薪窯焼成に適した土や成形についても紹介した。
IT時代、神ならぬ紙になり人類は消えるか。到るべき感性の宇宙時代は「天才」量産の時代に。天才は宇宙人、そして、一番あたりまえの人。教育者、政治家、財界人、誰にも読んでもらいたい芸術論。
美術館やギャラリーに収まっていた芸術は、閉ざされた領域を飛び出して都市空間や地域社会へと広がっている。地域住民とアーティストの共同制作、美術教育、医療や福祉の領域での芸術活動ー近年では芸術の社会化がますます推し進められ、私たちの日常にある創造性や表現の可能性を再考する契機になっている。また、NPOとの協働など、文化政策が多様なかたちでおこなわれ、芸術文化の公共的な位置づけが見直されてきている。2000年以降の大阪の文化政策を契機に生み出された“芸術運動”の調査をもとに、文化政策の現状、創造の現場が直面した困難と可能性、制度とオルタナティヴの相互作用、労働やアクティヴィズムとの関連性などを論じて、社会を変えていく契機となる芸術活動のあり方を描き出す。
ダイヤモンドを創造する、という考えに取り憑かれ、すべてを投げうち実験に没頭するバルタザール。一家は破産し、科学によって母をも奪われた娘が考え出したある策とは…そして男の行きついた果てとは?バルザック独自の科学観を垣間みることができる表題作と「赤い宿屋」の2篇を収録。