レオナルドにとって“モナ・リザ”と飛行機械はなぜ同じものであったのか。伝説と謎に包まれたレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯とその思考の過程、そして傑作に隠された真の意味を説き明かす。レオナルド研究の世界的第一人者による、日本ではいままで触れられたことのない、新しいレオナルド像。
ベル・フックスのアメリカ黒人現代アート批評、待望の邦訳。白人至上主義的・資本主義的・家父長制による排他的な視覚の政治学が深く浸潤する現代アートとその批評、システムの内部にメスを入れ、真の黒人の美学を開示する。
描き続けること、問い続けること、風化させないこと。アートには、社会に果たすべき役割がある。
精神分析を理論に閉じ込めるのではなく、生の実践とするための、ロシア人精神分析家・美術キュレーター、ソ連アンダーグラウンド芸術の証言者である著者による、夢と視覚芸術を通したフロイトとラカンへのユニークな手引き。
ドイツ・ロマン主義芸術の基礎を築いたフィーリプ・オットー・ルンゲは、1805/06年に『ヒュルゼンベック家の子どもたち』を描いて、ドイツ美術史上もっとも有名な子どもの絵を生み出した。この作品に描かれた世界を手掛かりに、著者はルンゲの描法を英国の絵画や古典主義の絵画と比較し、さらにルンゲ自身の光と色彩の理論に関連づけながら分析している。それにより、ハンブルク美術館に収められているこの作品が、内容と形式を見事に一致させることで、子供たちのふるまいが段階を追って発展していく様子を他にない仕方で表現していることが明らかにされている。同様にこの作品が、ナイーブなものを芸術を通じて意識に昇らせることで、失われた楽園に対するロマン主義的な理念を描き出していることも示されている。またこの作品を鑑賞するのにふさわしい態度についても、同時代の文献によって説明されている。こうして、著者の体系的な考察はドイツ・ロマン主義の芸術的思考を解くための鍵を与えてくれている。最後にルンゲと『ヒュルゼンベック家の子どもたち』の影響力が、ロマン主義の画家たちだけでなく、カール・フリードリヒ・シンケルや、マックス・エルンスト、パウル・クレーのようなモダン・アートの古典的な画家たちにまで及んでいることが指摘されている。
書跡史学者が読み解く、光悦の人と芸術。新出の二〇通を含む三五〇通の手紙を通して光悦の生涯を辿る。自筆の手紙写真と解読を多数収載した渾身の一冊。
革命の担い手「われわれ」が生まれるには、独りでも行く「われ」が存在しなければならない。日常生活そのものが闘争の場であることを示した作家・大西巨人。公正の実現を目指し、現実と芸術とを実践的に結びつけた文学者の、類を見ない創作の展開を追跡する。並走者・武井昭夫、湯地朝雄の仕事にも及ぶ、運動としての文学に迫る考察。
日本でも注目を浴びるイタリアのスピリチュアルコミュニティー“ダマヌール”。その理念と実践、そして創設時のエピソードから世界中に知られるまでの経緯、さらには、芸術的傑作とされ、多くの人々が訪れるパワースポットにもなっている地下神殿の全貌を、イギリスのジャーナリストがルポしたノンフィクション。
経済理論家、芸術家、政治家、実務家、散文作家などマルチな才能をもつ人間ケインズ!ケインズの経済理論とそのバックボーンともなる芸術家としての一面を論じたケインズ研究の集大成!
ロシア最大の文化都市、芸術の街サンクト・ペテルブルクに小説家、画家、音楽家が集まり、エルミタージュを筆頭に憧れを一身に集める。3年間の在外研究員を含めた14年間、往来する遺伝研究者夫妻がロシアのふところに交流し、観劇、美術館巡り、歌曲のレッスンや、世界に冠たる植物遺伝資源の総本山バビロフ研の一端など、文化の違いを軽やかに対比し、日常の悲喜交々を描き出す。『サンクト・ペテルブルク断章』の姉妹篇にあたる随筆集。
文化概念の再考を迫る名著、待望の邦訳。著者インタヴューと解説「批判人類学の系譜」(太田好信)を収録。
時代の混沌の中で、その清々しさを失わない魂の営み-。美術の豊饒と民主主義の発展のために闘った芸術家の生涯。若い魂に宿った美の心の遍歴を綴る。
「ダダ」とは、1916年に抽象絵画および前衛詩の分野で起きた突発的事件である。それは、あらゆる「主義」の枠組みを超えた、すべての芸術的価値に対する反乱だった。この熱狂的で過激な反乱は、やがて登場するすべての「前衛芸術(アヴァンギャルド)」の模範となることになった。
本書はプロジェクトマネジャーを支援するために、マネジメントの手法とコストプランニングの技術を解説するものです。すでに先進諸国ではこの分野が体系化していますが、建築生産の体制が異なるために、それはそのままわが国には当てはまりませんでした。そこで本書は、わが国の実情に合わせて実例データをもとにこれを体系化したものです。