「モノからコトへ」時代の、その先へ。長編書き下ろしと7編の論考で探る、「作品」と「制作」の新たなる可能性。
「超老芸術」とは「老いを超える」という文字通り、高齢になってから、または高齢になってもなお、精力的に表現活動をおこなっている人たちのことである。厳選した25名の超老芸術家のインタビューと作品を収録。
未完の芸術、終わりなき挑戦、1億円の盆栽を創る男。
本書は、「書は美術ならず」以来の書論を再検討し、甲骨文から前衛書までを読み解いて、言葉の書体としての書の表現を歴史的、構造的に解き明かす。
1920年代から30年代、教育・哲学・芸術の専門家たちが連携し合う稀有な時代、世界を襲う大恐慌に生活物資が切り詰められるなか、教育哲学者デューイは、心を豊かにする芸術の必要を説く。
ノーベル文学賞受賞者カズオ・イシグロ、V.S.ナイポールの作品世界に投錨し創造の航路をつぶさに描き出す。創造と模倣の関係を幅広く問う論考。
芸術経験のインディビジュアリティを教育実践にどうつなげるか?芸術経験は本来的に、個々人の美的感覚や想像力に依拠している。そのため芸術の教育は、教えないことで子どもの自由な表現を尊重するのか、教授目標として設定できる技術・知識を教えるのか、の二者択一論で展開されてきた。本書は、デューイの芸術哲学を出発点として20世紀前半からの芸術授業の展開を追うことでこの課題を再考し、二者択一を超えた新たな授業構成の枠組みと、オルタナティブな教育実践のあり方を示す。「美的経験」そのものを目指す授業へのパラダイム・シフトの方法を示唆した労作。
芸術家の生をさまざまに織りなした映画を読み解いてみよう。それを映画監督による虚構だと侮るなかれ!“映画”から“生の芸術家”へと向かう逆遠近法の構図に浮かび上がるのは、実証主義を超えていく新たな画家の真実なのだから。ジョン・メイブリー、デレク・ジャーマン、ピーター・ウェーバー、ピーター・グリーナウェイ、エド・ハリス…西洋美術史研究家が映画という模倣が示す芸術家の詩的真実を解き明かす。伝記映画に取材し、美術と映画の両者を自在に横断しつつ、芸術家という表象の可能性や多様性の深みに降り立つ新しい視座!