合理性と機能性をめざし続けたモダニズムは、それとは逆に不穏なゆがみを孕むことになった。20世紀末のアーチストたちの創造の現場に降り立ち、傷つき逸脱していく感受性をたどる異色の芸術論。
過去-現在、西欧-ロシア、伝統-前衛。異質なものを混交させ独自の音楽空間を創造してきたロシア。苦難の創作活動を生きぬいた一作曲家の、ユーモアとイロニーに満ちた私的回想録。
太古の息吹を感じるナポリ・ポンペイ、本土とは異質の歴史を成してきたシチリアなどの魅力ある南イタリアの町を訪れる。過去も現在も「永遠の都」と讃えられるローマの美術館と教会を詳細にガイド。
知の領域を縦横無尽に越境し、光の謎と神秘を語りつくす。
超ウィーン通の著者がおくる話題のエッセイ!ウィーン演歌から焼きサバの味まで…これまでのイメージを一変させてくれる面白エピソードが満載!ウィーンをもっと知りたい人必読の、ガイドとしても楽しめる一冊。
「再生論」を中心に晩年の思想を集成。
詩ごころこそ、人ごころである。自然の詩人、そして何よりも魂の詩人、芭蕉の人と芸術に傾倒する著者の深い洞察と観照。
ヨーロッパの語るものを自己を反響板として捉えた旅の思索!人、都市、庭園、建築、美術、音楽、映画、演劇、バレエetc.をめぐって。
体制アカデミズムと既成のフェミニズムを痛烈に批判した著者の代表作。
久しく待望されていた「壮大な知」の試み-既成の性とジェンダーを攪乱する衝撃の世界的ベストセラー、記念碑的大著。
助成金の額でもなく文化施設の数でもない、ニューヨークの芸術援助の底力は、まず「プロの芸術家」の生きる権利を認めたところからはじまった。その社会のコンセンサスが、今の時代を生きる世界中の芸術家たちを引きつけ、彼らはこの街に住みつき、キャリアを積み上げていく。はたして、「プロの芸術家」とは?「芸術家の生きる権利」とは?-日本がまだ気づかない芸術援助のあり方を、芸術家のナマの声を紹介しながら解き明かす。
つくば科学博’85のアメリカ館は、「絵を描くコンピュータ」アーロンの登場で大賑わいであった。現在、アーロンはさまざまな色彩の絵具を混ぜ合わせ、時には薄めながら、筆で紙に絵を描き、最後は筆洗いもする。アーロンが描いた絵は、常設の展示室や特別の展覧会で飾られ、高額で取引されている。アーロンは、人体の骨格や関節の構造と動作や、植物の成長パターンや枝・葉の付き方などを「知識・論理」として持ち、自律的に絵を描き、二度と同じ絵を描かない。これがアーロンと「コンピュータ・アート」との決定的な違いである。進化する描画機械アーロンを作ったのは、イギリスを代表する画家ハロルド・コーエン。本書は、芸術とコンピュータ・テクノロジーを架橋する魅力的な実験であり、画家コーエンと彼が開発したアーロンが、二人三脚で成長していく様を感動的なドキュメントとして描く。