銀座、浅草、東京タワー、スカイツリーを眺めつつ50年前のガイドブックに載ってるお店をめぐる。
二〇〇二年、冬。インドの巨大都市ムンバイ。路上にたむろする女乞食は一様に乳飲み子を抱えていた。だが、赤ん坊はマフィアからの「レンタルチャイルド」であり、一層の憐憫を誘うため手足を切断されていたのだ。時を経て成長した幼子らは“路上の悪魔”へと変貌を遂げるー。三度の渡印で見えた貧困の真実と、運命に翻弄されながらも必死に生きる人間の姿を描く衝撃作。
物乞いが憐れみを誘うべく抱いた赤ん坊は、月日を経て「路上の悪魔」へと変貌を遂げていく。執筆に10年をかけた渾身のノンフィクション。
おじいさんのふるいふるいパンやさん。きょううれたのは…しょくパン1こ、クリームパン3こ、メロンパン2こ、ジャムパン1こ、アンパン1こ、カレーパン1こ。そしてやきそばパンはひとつもうれませんでした。うれないやきそばパンピョンタがふるくてつぶれそうなおじいさんのパンやにきせきをおこす…。
江戸の世に花開いたそば文化。-そばは江戸食を代表する粋な食べ物であり、その伝統は、江戸前と呼ばれるうなぎや握りずし、天ぷらよりもはるかに長い。文化文政期、江戸のそば屋の数は三〇〇〇軒を超えるまで膨れあがったといわれる。そして現在、“ニューウエーブ”と呼ばれる新鋭のそば屋が人気を博すなか、他方で“老舗”と呼ばれ、暖簾の伝統を頑なに守り続ける古参のそば屋がある。その暖簾ー砂場、更科、藪、東家、一茶庵。本書では、江戸・明治・大正の時代から連綿と受け継がれる老舗そば屋の系譜を辿り、江戸以来のそば屋の伝統を顧みる。
そば打ちは単純な作業だが、実は奥が深い。技術の基本の裏に隠された、そば打ちの本質を知ることなしに真の上達はない。何を知るべきか。その答えが本書にある。
専門学校東京アナウンス学院・芸能バラエティ科で実際に行われた特別授業『漫才入門』を元に構成。漫才の法則が身に付く問題集付き。
本書では、男の子を遊ばせることの大切さとともに、男の子の能力を伸ばす遊びについて考えていきます。
そこのおきゃくさん、あなたきょうはさいこうについてるよ。だってこのわたし、やきそばめいじんのスペシャルなやきそばがたべられるんだから。なにがスペシャルかって?これ、ほんとはだれにもないしょのはなし。じつはね…。
喫茶店や映画館、それに書店で見知らぬ人と隣り合わせになる…。2020年より前の暮らしの中にあって、いま私たちが恋い慕うなにげない日常の風景を、瑞々しい感性で世界各国から愛される作家のエラ・フランシス・サンダースが描き出す。
「チャンスは目の前にある」「お金儲けは善である」-著者はそう説いて回った。ある男が手放した農場から大量のダイヤモンドが見つかったゴルコンダ鉱山、行きかう女性たちの帽子を観察し、同じものを店に置くことで米国初の億万長者となったジョン・ジェイコブ・アスター等を例に、成功への道筋を示す。全米各地で6000回以上行われた伝説の講演をベースに、100年以上読み継がれてきた不朽の名作を新訳で文庫化。
朝日屋の主・怜治の元同僚、火盗改同心の柿崎詩門が盗賊に斬られたらしい。安否を確かめにいった怜治だったが、本人に会うことはできなかった。そんな折、大坂の呉服屋の老番頭・孫兵衛が、長逗留したいと朝日屋を訪ねてきて…(第一話「新旧」)。美味しさと痛快さが胸を満たすー心の活力源に、一服どうぞ。
三人姉妹の長女クリスティアナは熱烈な求婚を受けて、ラドノー伯爵と結婚する。が、結婚式をあげたとたん伯爵は冷酷な人間へと変貌してしまい、夫婦の会話もない不幸な毎日を送っていた。そんなおり、伯爵が書斎で謎の死を遂げる。とある事情で今晩にでも妹たちを社交界デビューさせなくてはならないクリスティアナは伯爵の死を隠すが、その舞踏会になんと死んでいたはずの伯爵が現われる。しかも別人のように優しく情熱的な伯爵に、彼女は戸惑いながらも急速に惹かれていき…。
かつておとこのこがどんぐりをつちにうめました。やがてめをだしおおきくなった木はうつりかわっていくひとびとのくらしをみまもりつづけます。
世界が知られたくない暗黒史を大暴露!
早春の夕刻、日本橋は木原店の一膳飯屋「塩梅屋」には、常連の喜平、辰吉、勝二が揃った。主の季蔵が、大食通極望子の料理山海珍味帖による白梅酒を召し上がりませんか?という文を出していたのだ。季蔵が用意したお酒を堪能しながら、見事な梅園を幾つも持つ両替屋・晴野屋の話などに、花が咲いた三人だった。その数日後、梅干し料理の献立を考えていた季蔵の元に岡っ引きの松次がやってきた。晴野屋に、大山天狗の名で、跡取り息子を拐かす、という文が届いたというー。美味しい季節の料理と、大切に思うひとへの愛、冴えわたる季蔵の推理。大ベストセラーシリーズ、充実の最新刊。
高知の田舎町で父と暮らす17歳の高校生・鈴は、幼い頃に母を事故で亡くし、現実世界では心を閉ざしていた。だが、もうひとつの現実と呼ばれる、インターネット上の超巨大仮想空間『U』に「ベル」というアバターで参加することに。ずっと秘めてきた比類なき歌声で瞬く間に世界中から注目される歌姫となった鈴は、『U』の中で「竜」と呼ばれ恐れられている、謎の存在に出逢うー。細田守監督が自ら書き下ろした原作小説!
秋原健一、四十三歳、ふつうの会社員。波多野妙子、OLを辞めた三十歳。それぞれに過去の小さくも苦い思いを抱えた男と女は、通勤の京浜急行で出会い、途中下車した駅の蕎麦屋でせいろをすすり、ただテレビを観る。淡く、不思議な甘さに包まれながらー。爽やかな感性の触れあいを描いた表題作他二編収録。日常に潜むふとした喜びやせつなさを掬い取った可憐な短編集。