モーリーン・ハリスが勤務する飛行機会社、マクフェイバー社の新型機がテスト飛行に失敗した。設計ミスの可能性がないことから、ライバル社による買収を望む、会社内部の人間がたくらんだ妨害工作の疑いが濃い。そんなとき、モーリーンの自宅の隣に、1人の男が引っ越してきた。同じ会社の新顔の整備士、ジェイク・エドワーズだ。会社でばったり出会ったときから、モーリーンは彼にひかれるものを感じていたが、ジェイクの行動にはどこかあやしいところがある。妨害工作にからんでいる人間ではないだろうか?モーリーンは彼のようすをさぐってみることにした。
ヒューストン郊外の町シュガーランド。シンディは二年前に離婚し、ふたりの子供とともに平穏に暮らしている。そんな彼女のもとに、ひとりの男性が転がりこんできた。彼の名はマイク。隣人のグレイスの兄で、プロのボディガードをしている。最近、仕事中に撃たれ、おまけにビルから転落して重傷を負い、病院から退院を許されたばかりだった。旅に出るグレイスの代わりに、マイクの世話をすることになったシンディだが、彼がかいま見せる、外見に似合わぬ繊細で優しい一面に、彼女は少しずつ惹かれていった。でも彼女はマイクを愛するわけにはいかなかった。彼は所持品すべてをふたつのダッフルバッグに詰め、ひとつところにとどまることをきらうような男。傷が完全に良くなれば、いずれこの町を去ってしまう。シンディにははっきりとわかっていた。子供たちと暮らす彼女には、決して愛してはいけない相手だと。
「あなたが心配になるのも当然だった」ローマンの言葉にブリットの声は震えだした。「つまり、わたしの身に危険が迫っているということ?」悪質な嫌がらせの手紙が届くようになって一ヵ月、ブリットは心底怯えていた。結婚したと嘘の知らせを送ったことも、相手の気持を逆撫でしたらしい。最後に来た手紙は、彼女の死をほのめかすものだった。警察に相談したが、手紙ぐらいでは動いてくれそうにない。ブリットは、私立探偵のローマンに助けを求めた。長年の勘で、ローマンにはブリットに迫る危険がすぐにわかった。これは単なるいたずらの域を超えている…。ローマンの頭には、そのとき、ある計画がまとまりつつあった。「あなたの夫のふりをしようと思うんです。いつもそばで守れるように」彼の思わぬ提案に、ただ怯えるばかりだったブリットは…。
地味な服装、引っつめに結った髪、つの縁の丸めがねー、ハケット建設社長の個人秘書、ミス・グレイス。これがテオドラ・グレイスの昼間の顔だ。一方、帰宅後の彼女は、まず外見から本来の自分に戻り、ロマンス小説の執筆に取りかかる。ヒーローのモデルは社長だ。ただし、その非情な性格と外見だけ。だが執筆は深夜にまで及び、体力は限界にきている。ある夜ついにその小説が完成し、ほっとしたテオドラは、翌日、寝過ごしてしまった。そしてなんと、“ミス・グレイス”の初めての遅刻の原因を心配し、社長自ら見舞いに訪ねてきたのだ。
あるあさ、イグワナがみずをのんでいると、カがやってきて、いいました。「イグワナ、わたしがきのうみたことをはなしたって、しんじてくれないでしょうね」。カがつまらないうそをついたばっかりに、フクロウの子どもが死ぬという事件が起き、がっかりしたフクロウは太陽を起こしません。いつまでたっても夜の明けないジャングルで、動物たちは…。アフリカ民話をもとにした、奇想天外なお話。1976年コルデコット賞受賞作。4歳から。