「何者じゃ」夜回りの老局は思わず誰何した。奥州棚倉の城主、勝田駿河守の上屋敷の闇に男が蹲っている。「土蜘蛛の精…」名乗ったその顔は幽鬼のものであった。折しも婚儀定まった姫を案じて寝所に踏み入った局の見たものは、無惨な姫の姿。姫が自害して果てたのは間もなくである。勝田の家を呪うのは、いったい何者?もと歌舞伎役者の色男、文七が陰謀に迫る。
クモの巣の形からクモの種類がわかる、世界初、クモの巣の図鑑。身近な場所で見られる約40種の巣の大判写真とともに、巣をつくったクモを紹介、解説。クモのふしぎ、巣や糸などのひみつも大公開。
地球上の動植物、有機質、無機質まで、存在するすべての物質は分子・原子という最小単位から成り立っています。人間もしかりです。その分子・原子は、ある一定の太陽からエネルギー振動によって本来の働きを維持していると考えられます。現代社会における磁場の異変、大気汚染、温暖化、日ごろのストレスなど、環境変化や物質の影響で、分子・原子の振動に量子レベルで乱れが生じ、地球上のあらゆるものに異変や疾病が起きることがわかっています。振動の乱れの原因は、原子の中にある陽電子のスピン運動の異常と考えられています。その異変を本来の状態に戻していこうとするのがホワイト量子エネルギー(WQE)です。
少年が加わったパルチザン部隊は、愛すべき“落ちこぼれ”たちのふきだまりだった。奇想天外なネオ・レアリズム小説の傑作。遂に登場。
手紙、はがき、年賀状…心のこもったご挨拶は手書きで。“クモの巣”をかければ字形がたちまちわかる。
悪政を敷く御国家老に父を謀殺された有馬喬四郎は、江戸の長屋に身を潜めて復讐を誓う。が、まずはその日の暮らしが大事。怪しい仕事で日銭を稼ぎ、女人に妻の面影を求め、返す刀で刺客を倒す。ままならぬ日々を懸命に生きる喬四郎と、ひと癖もふた癖もある悪党どもが繰り広げる珍騒動。時代小説の愉しみを満載した新シリーズ。書き下ろし時代小説。
世界を舞台に多彩な文化人と交流し、都市文化を創造してきた建築界の知の巨人が、ルイス・カーンから丹下健三、ジャック・デリダ、吉本隆明まで、愛惜の50人への思いを綴る。
Origamiの数理はここまで来た!世界中の研究者がしのぎを削る「折り紙」の数理的探究。深化を続けるその研究成果の最前線を紹介する。
古くて大きなお屋敷で使用人としてはたらく10歳の女の子、タリー。その毎日を大きく変えたのは、リスと、暗号と…ひみつの地下図書館!
『くもの巣の小道』は『木のぼり男爵』、『マルコ・ポーロの見えない都市』等の奇想天外な現代小説の作者として知られる、イタロ・カルヴィーノの長篇代表作である。物語の舞台となるのは、第二次大戦中のドイツ占領下のイタリアの片田舎。娼婦の姉を持つ少年ピンは、姉の許に通うドイツ兵からピストルを盗み出したのがきっかけで、パルチザン部隊の一員となる。だが彼が加わったパルチザン部隊は、他の部隊からはみ出した奇妙な、愛すべき“落ちこぼれ”たちのふきだまりであった。自分が「病気だ」と主張してはばからないニヒリストの隊長ドリット、元船コックで“過激派”の食糧係マンチー、ガンマニアで元黒シャツ隊員のペッレ等々いずれ劣らぬクセ者たちとピンは“森の生活”を共にする。そして少年ピンの目の前で裏切り、待ち伏せ、報復、戦闘とパルチザンの“日常的光景”が次々と繰り広げられて行く…。本書はカルヴィーノの文学的原点であり、著者自身のレジスタンス体験から生みだされた、リリシズムに満たちネオ・レアリズム小説の傑作である。