少年が加わったパルチザン部隊は、愛すべき“落ちこぼれ”たちのふきだまりだった。奇想天外なネオ・レアリズム小説の傑作。遂に登場。
手紙、はがき、年賀状…心のこもったご挨拶は手書きで。“クモの巣”をかければ字形がたちまちわかる。
色々なクモの網や、円網の形や張り方についても解説はしているが、それはこの本の一部。むしろ、クモの行動や生活にとって網がどれほど重要な役割をしているのかを、そして、クモの網がどれほど面白い謎を秘めているのかを伝える内容となっている。
シェイクスピアの『マクベス』を日本の戦国時代に取り入れた作品。蜘蛛巣城の城主を巡って繰り広げられる壮絶な戦いが強烈な人間描写とともに描かれる。とくにラスト・シーンが必見!
小指にも満たないその小さな心の思い。虫たちの苦悩と希望の物語。
世界を舞台に多彩な文化人と交流し、都市文化を創造してきた建築界の知の巨人が、ルイス・カーンから丹下健三、ジャック・デリダ、吉本隆明まで、愛惜の50人への思いを綴る。
Origamiの数理はここまで来た!世界中の研究者がしのぎを削る「折り紙」の数理的探究。深化を続けるその研究成果の最前線を紹介する。
『くもの巣の小道』は『木のぼり男爵』、『マルコ・ポーロの見えない都市』等の奇想天外な現代小説の作者として知られる、イタロ・カルヴィーノの長篇代表作である。物語の舞台となるのは、第二次大戦中のドイツ占領下のイタリアの片田舎。娼婦の姉を持つ少年ピンは、姉の許に通うドイツ兵からピストルを盗み出したのがきっかけで、パルチザン部隊の一員となる。だが彼が加わったパルチザン部隊は、他の部隊からはみ出した奇妙な、愛すべき“落ちこぼれ”たちのふきだまりであった。自分が「病気だ」と主張してはばからないニヒリストの隊長ドリット、元船コックで“過激派”の食糧係マンチー、ガンマニアで元黒シャツ隊員のペッレ等々いずれ劣らぬクセ者たちとピンは“森の生活”を共にする。そして少年ピンの目の前で裏切り、待ち伏せ、報復、戦闘とパルチザンの“日常的光景”が次々と繰り広げられて行く…。本書はカルヴィーノの文学的原点であり、著者自身のレジスタンス体験から生みだされた、リリシズムに満たちネオ・レアリズム小説の傑作である。