源氏物語が切り開いた物語の方法を以後のそれぞれの作品がいかに継承し、発展させ、みずからの世界を築いていったか、そして物語史を紡いでいったか。
和歌の史的蓄積を自らの歌学の中に位置づけ、後の和歌と勅撰集のあり方を方向づけた俊成や定家。彼らの和歌観を直接・間接に選択・継承し、それぞれの和歌のあり方を模索していった為家や京極派。王朝和歌から連なる中世和歌の史的変遷を丁寧に紐解き、個々の特質と連続性を多面的に明らかにする待望の一書。
古典統計力学的な方法を主題として、場の量子論の数理を解説した旧版に、「対称性の自発的破れ」の数理に関する論述を新たに加えた。30余年の時を経て名著がふたたび増補版として生まれかわる。
本書は、『玉塵抄』の用例を資料とし、その語法について分析を試みたものである。