天然歯の表面には、さまざまな性状があり、それらを表現することは、天然歯のもつ質感を表現するために、もっともたいせつである。表現方法は、各種セラミック材料およびセラミストにより千差万別の築盛方法が考えられるはずである。天然歯の質感を持った、色彩表現・形態表現で大切なことは、天然歯の形態・層の構成を知り、光によりさまざまに変化する天然歯色彩を観察し、熟知することであると考える。
十七音というごく限られた字数のなかで、人びとは何を表現しようとしてきたのか。最短詩型における表現の追求という観点のもと、近世俳諧から近代俳句にいたるまでの歩みを幅広く考究し続けてきた著者の論考を集成する。芭蕉の俳論から近代俳句の理論までを視野に入れて構築される画期的な表現史の誕生。
本書は、記紀歌謡や万葉集の表現についての研究であり、古代的な自然観と、それにもとづく表現の論理の解明を目的としている。とりわけ、自然の営みに人事を投影しつつ心や姿を具象化する表現に焦点を置きながら、古代日本語における象徴表現について考察しようとするものである。
本書は、敬語表現・受給表現および慣用句の表現をおもな内容とする小考を集録したものである。
本書は、日本語史に対する言語生活史的な、新たな見方とその実践例を提示しようとするものである。
本報告書は、先に刊行した『学校の中の敬語1-アンケート調査編』に続くものであり、中学生及び高校生が学校の中で敬語をどのように使用しているか、どのように意識しているかについて、面接調査の手法により調査した結果をまとめたものである。
中世以前の古文書を資料とし、先行研究の整理検討をふまえ、文字・用語・表現(待遇表現・引用表現・数量表現)等の言語事象を究明する。古文書の言葉の研究を通して日本語の実相を追究するための貴重な基礎的研究。
本書は、小野ー広島県神石郡神石高原町小野(旧神石郡小野村)の方言について記述したものである。
現行の注釈書や従来の解釈に問題はないのかと問い直し、注釈作業を練磨する中から、本文に即したより正確な理解を獲得すること、そうした手続きを経てはじめて『源氏物語』の読み取りは真の意味で更新され、問題意識は再び他者と共有しうるものになるのではないか。源氏物語の自閉した「私の読み」を超えるために。
「中世王朝物語」はまだまだ読み解けないところだらけである。難解な本文にどう向き合い、いかに読み解くか。今後のゆくえを照らす書。全体を「主題・構想論」「典拠・先行物語受容考」「引歌表現考」「本文校訂考」の四つに分け、読解を試みる。精緻な読みから「中世王朝物語」の成立圏・作者圏までをも見通していく。
物語史・和歌史・漢詩文や仏典、歴史や文化史、またそれに関わる他の作家など、“紫式部”の作品テクストに関わる成立と享受の表現史を総括し、『源氏物語』をはじめ『紫式部日記』『紫式部集』を含めたテクスト引用関連を中心に“紫式部”の文芸を再検討する。