本書は、ウィリアム・フルトンとジョー・ハリスによる表現論をテーマとした世界的名著の翻訳書である。扱われている主な内容は、有限次元複素ベクトル空間上における有限群および複素半単純リー代数の表現論である。原書は大部であることから、翻訳書は上下巻に分けた。本書の大きな特徴の一つが、まずは数多くの具体例に取り組み、その経験を通じて題材に関する感触や動機付けをある程度得た後で、一般的な事実へと導いていくという立場をとっていることである。加えて、特にリー代数が登場して以降の具体例において、理解を視覚的に助けるために情報の図示を大量に駆使している点も特徴である。必ずしも表現論を専門としない、さらにはより広く数学を専門とするとは限らない多くの方々にとって、本書が表現論に踏み入る気軽な最初の一歩となることを期待したい。
システム設計の基礎的な技術と技法を実務的に詳しく解説!本書は、著者の長年にわたるコンピュータシステム設計の豊富な経験に基づき、SEやシニアプログラマが備えていなければならない基礎知識とシステム構築の考え方・ノウハウを集大成したものです。
本書は、Lisp言語の予備知識を仮定せずに、初心者が抽象化プログラミングの基本技法を収得することを目標としたプログラミングの入門書である。
AIモデルの透明性と解釈可能性、そして説明可能性の追求は、エラーやバイアスを最小限に抑え、予測結果の信頼性・公平性を高め「責任あるAI」を実現するために重要な分野です。本書では、線形回帰や決定木などのシンプルなホワイトボックスモデルから、深層ニューラルネットワークなどのようなブラックボックスモデルまで、その解釈手法とPythonによる実装を解説。「どのように動作し、予測に至ったのか」に答え、モデルを「解釈可能」にするためのアプローチを網羅的に扱い、そして更に「なぜ、この予測をしたのか」に答え「説明可能なAI」に至るための道を示しています。
知能は人間に固有なものか、動物にも認められのか。知能は機械で実現できるのか。著者は、この古く新しい命題に迫るために、コンピュータに接する一般読者に分かり易く、この道の専門家にも得るところがあるように、豊かな図版と幅広い知識を駆使して話題を展開していく。
本書は、素励起で見る固体物理学といえる内容の解説書で、素励起-多体系における秩序の小さな乱れ-の概念をもとに、量子力学や統計力学を用い、ミクロの立場から半導体、磁性体、超伝導体、超流体等のマクロの物性を解明する理論的手法および実験例について詳説してある。
従来の幾何アルゴリズムは、誤差のない理論の世界において成立している。しかし、有限の精度でしか計算ができない現実のコンピュータでは、アルゴリズムが暴走する危険性を常にはらんでいる。よって、有限の精度で実行しても正常に動作するように、新しいアルゴリズム設計方法論が著者らによって開発されてきた。本書は、この斬新的な手法について、わかりやすく紹介したものである。
英語の数量表現の基本ルールと、具体的な物理量の示し方を豊富な実例とともに解説。
伝統と新鮮さが交錯する横光文学。客観に徹した鑑賞、明快な哲学性を交えた批評、さらに研究。新たな視点と体系化により日本の小説の流れから見た巨匠横光の全体像を照射する。
本書は、今日の複雑・大規模なシステムにおける、分析/診断、運用/制御、意思決定/設計などの現実的諸問題を、シンボル化された「概念」とその間の関係=知識情報を用いて解決するための基礎概念と手法、および研究課題として注目されている諸テーマについて述べたものである。
孤立語という特性をもった中国語それ自身がどのようなものであるかを解明することが、中国の実像に迫るための第一歩となろう。本書では、言語の様々な側面に対して多角的な視点が示された。
和歌や俳句など、仮名の作品制作上、特に必要と思われる語句について、古典から語句単位で連綿、あるいは単体(漢字を含む)を組み合わせて抽出した字典。文字採録の範囲は、日本は奈良時代の空海から江戸時代に至る代表的な名蹟146点と、中国においては、王義之を中心とした清朝に至る書人81人の名蹟を掲載。配列は五十音順。