300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ケ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わずびびる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスは、辰次郎に致死率100%の疫病「鬼赤痢」の謎を追えと命じるー。第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作。
上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。
因業な金貸し婆、お吟のもとに現れた謎の若い男、浅吉。お吟のもとで押しかけ居候を始めた浅吉には、実は秘密の目的があった…相棒の烏、勘左とともに、浅吉が貧乏人を救う!『金春屋ゴメス』の西條奈加が放つ超・時代エンターテインメント。
近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。競争率三百倍の難関を潜り抜け、入国を許可された大学二年生の辰次郎。身請け先は、身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道、無慈悲で鳴らした「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスに致死率100%の流行病「鬼赤病」の正体を突き止めることを命じられた辰次郎はー。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
一匹狼の職人・時蔵と女だてらに細工師を志す錺工房の娘・お凛。周りと打ち解けず、独り黙々と細工に打ち込む天才肌の時蔵に振り回されながらも、お凛は時蔵に惹かれていく。そして、反発し合っていた二人の心が銀細工を通じてかさなった時、天保の改革で贅沢品が禁止された江戸の町に活気を取り戻す、驚天動地の計画が動き始めた…。若い男女の哀しく切ない恋模様を描く本格時代小説。
ときは近未来、ところは日本領土内、鎖国状態の「江戸国」。上質の阿片が海外に出回り、江戸国は麻薬製造の嫌疑をかけられる。極悪非道で知られる長崎奉行ゴメスは、異人たちが住む麻衣椰村に目をつける。辰次郎が想いを寄せる女剣士朱緒の過去が絡み合い、事態は思わぬ展開を見せるがー。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作の続編。
心に傷を負った若き侍と、江戸の下町でたくましく生きる孤児たちの、強い絆とままならぬ過去への思いを描く青春時代小説。
因業な金貸し婆・お吟のもとへ押しかけ、金貸し業の手伝いをする浅吉。新しい発想で次々と借金をきれいにし、貧乏人たちを助ける彼には、実は秘密があった。大金を得るべく浅吉が仕掛ける真の目的はいったい…。日本ファンタジーノベル大賞作家が江戸を舞台に描いた痛快時代エンターテインメント小説。文庫だけのオリジナル短編「勘左のひとり言」収録。
“真面目で気のいい人ばかり”と噂の「善人長屋」。しかし陰に回れば、差配も店子も裏稼業の凄腕揃い。そんな悪党の巣に、根っからの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底なしのお人好し…。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う。
弥五郎はお伊勢参りの案内役、「御師」の手代見習。そのくせ「御師は盗人」といってはばからない変わり者。ある日、弥五郎は日本橋の材木商・巽屋清兵衛が賊に襲われているところを助ける。それが縁で、清兵衛のお伊勢参りに付き合う羽目に。旅の道連れは妙に婀娜っぽいお妾さんや口やかましい下っ引きなど、たいそう賑やかな面々。道中の名物や景色もまた格別。だが、行く先々でなぜか清兵衛が狙われ、弥五郎自身にも伊勢を訪れたくない理由があって…。
父の転勤に同行せず、神楽坂の祖母と暮らすことを決めた中学二年生の望。包丁も持てない祖母は面倒くさがりで、気が強くて、決して世話好きには見えない。でも「お蔦さん、お蔦さん」と誰からも頼られるような、不思議な吸引力を持っている。そんなお蔦さん目当てに人が集まってくるから望も何かと忙しくて…。お蔦さんや学校のみんなに振り回されつつも少しずつ成長していく望の、あたたかくて少しだけ波乱のある爽やかな日常。表題作を含む六編収録の短編集。
仇討ちに挑む四人の女。それぞれの愛憎の行方は…。『金春屋ゴメス』『善人長屋』の著者が描く、楽しくも切ない、エンタテインメント時代小説。
新任の北町奉行・遠山景元の信頼厚い吟味方与力・高安門佑は、ある事件をきっかけに、お卯乃という元女郎を屋敷に引き取ることになる。口のきき方も知らず家事もできないお卯乃だが、話し相手としては悪くない。そう思いはじめた矢先、天保の改革が発布され、江戸の世情は一変した。遠山は南町奉行・矢部定謙とともに、改革を主導する老中首座・水野忠邦と対立する。そんな両奉行と門佑たちの前に、冷酷非情と恐れられる目付・鳥居耀蔵が立ちふさがった。厳しい締め付けに生気を奪われた江戸、そして、門佑とお卯乃の行く末はー。改革の嵐が吹き荒れるなか、お上の苛烈な締め付けに立ち向かう気骨ある与力の姿を通じて、市井の人々の意地と気概をいきいきと描き上げた傑作。
百年続く「椋屋」の娘・お凛は、女だてらに密かに銀線細工の修行をしている。跡目争いでざわめくなか現れた謎の男・時蔵は、江戸では見られない技で簪をつくり、一門に波紋を呼ぶ。天保の改革で贅沢品が禁じられ商いが難渋するなか、驚天動地の大注文が入る。江戸の町に活気を与えたいと、時蔵とお凛はこころをひとつにするがー。職人世界の粋と人情を描き切った本格時代小説。
お侠な小町娘のお蝶と、物腰穏やかな色白美人の沙十。人呼んで“弁天観音”美人姉妹と、次々と現れるクセ者の男たち。一本気な枡職人、ワケあり破戒坊主、無愛想な若侍、好色な若旦那。かしましくも賑やかな日々の裏、お蝶を狙う影が迫っていた…。
掏摸やかっぱらいで食いつなぐ暮らしを改めて、まっとうな商売を始めた、勝平をはじめとする十五人の孤児たち。彼らは周囲の小さな事件を解決しながら、自分たちの居場所を拓こうとする。厳しくも温かい長谷部家の人々や、口の悪い金貸しお吟らの助けも借りながら、子供たちは事件解決に奮闘する。笑いと涙が交錯する傑作に、特別書下ろし短編「登美の花婿」も収録。連作時代小説。
友だちになった小鬼から過去世を見せられた少女は、心に“鬼の芽”を生じさせてしまう。小鬼は彼女を、宿業から解き放つため、千年にわたる旅を始める。
善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の加助が住み始めた。実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。差配の儀右衛門は盗品を捌く窩主買い。髪結い床の半造は情報屋。唐吉、文吉兄弟は美人局。根っからの善人で人助けが生き甲斐の加助が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが…。人情時代小説の傑作。
表は堅気のお人好し、裏は差配も店子も凄腕の悪党が揃う「善人長屋」。天誅を気取り、裏街道の頭衆を血祭りに上げる「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は、奴らの正体を暴けるか。
橋から落ち、意識を失った小学生の叶人。気がつくと、そこは三途の川。江戸時代の人物と思しき2人の男とともに、三途の“渡し守”を命じられる。ミッションは、死者の未練を叶えてあげることー。