写真という「自然の鉛筆」。そこに、潜在する数多の未知の物語。「撮る」「撮られる」「見る」-三つの視線はけっして収斂しない。宙づりの視線たちが紡ぎだす多義的な物語とは?カメラ・アイに潜む「匿名の視線」とは?「写真行為の哲学」が、あらたな視線の倫理(エートス)を要請する。
大阪から金沢に向かう、特急サンダーバード1号の車中で、刺殺体が発見された。殺害状況は、ごく限られた時間内の犯行を指し示す。翌日、金沢の名勝・兼六園でも、女性の刺殺体が!サンダーバードと兼六園、二つの現場には、共通したある痕跡が遺されており、同一犯人による凶行説が浮上する!ルポライター・浦上伸介は、被害者間の秘められた関係をつかみ、容疑者の足取りを追う。だが、容疑者が構築した“五つの時計”による不在証明が、浦上の前に立ちふさがる。
「新総合読本」は、知らなくてもいいけど知っていると確かに役立つ、視野が広がるーそんな知識を教えてくれる読みものです。本書には「なぞときの面白さ」を扱ったお話が集まりました。お話のくわしい解説もついています。
「千里眼の岐世子」に会うために列をなす群衆にまぎれて、聖とともに「十字城」に侵入を図った拓己たち。だが、城の手前で何故か省吾が捕らえられてしまう。亀岡で岩間組や静と合流した拓己は、「カスミ」が鞍馬で再び虐殺を開始したことを知る。挑発の目的は明らかだが、これはイズミでなければ止められない!一方、「ジュリア」から独立して存在するコンピュータSEED-12を巡って風間と白十字の駆け引きが続く「十字城」の深奥部、省吾は深い闇のなかで意識を取り戻した…。
このハガキ絵だけが、夫の生きた証しでした。戦争で断ち切られた新婚生活、画業への夢。『無言館』に続く戦没画学生「祈りの絵」。金沢市粟崎の部隊から、フィリピンの戦地から、51通のハガキ絵で綴る心の絆。
新たな「知の原理」に挑む。急速な情報化によって研究と教育はどう変わるのか。最前線にたつSFC(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス)からの発信。
原子・地球・電磁波・偏光板…といった世界的な大発見から、身近な日本での話まで、おもしろい発明・発見をした人たちの物語。科学者たちがどんなふうに科学を楽しんできたかを知ることは、科学のたのしさを知る一番の近道。
肉ジャガ、餃子からビーフシチューまで、何が違うのか、どうすればよいのか。レシピの陰に隠れた“プロの隠し技”が簡単にわかる。日本、中国、西洋あわせて百種類の料理を紹介。
平安中期の官僚。海賊鎮圧のために伊予に派遣されたが、関東の平将門の反乱と時を経ずして、瀬戸内で反乱を起こす。純友が傍流ながら摂関家につながる中央官人であったという説に立ち、承平・天慶の乱を読み直す。彼がなぜ海賊集団を組織し、反逆者となったのか。10世紀の東アジアと瀬戸内交易との関係、古代の海賊の分析を交えて、生涯を描く。
本書は我が邦人の作れる漢詩三八六首を選注したものである。収載の次序は便宜上、五言・六言・七言の絶句・律詩・古詩等に分け、字数を似てした。それぞれの詩につき、原文・訓読文・大意・語釈を附した。また、初出箇所にのみ作者小伝を添えた。訓読文は歴史的仮名遣いを用いた。
正統な文学からのはみ出しものとして、江戸中期に突如花開いた異端、戯作文学。二百年前の大人のマンガー黄表紙。日常凡俗の生活風景ー川柳。伝統和歌に対する戯れ歌ー狂歌。戯作精神の精華を、この一冊に満載。
欧州を席巻した大ドイツ帝国は、カナダで抗戦を続ける英国を追って大西洋を渡った。日英同盟に従い日本は北米に地上軍を派遣。だが独軍の電撃攻勢と史上初の反応弾攻撃に曝された合衆国はあえなく崩壊してしまう。一気に苦境に陥った北米の日英同盟軍に向けて、日本は物資を送り続けなければならず、独軍はこのシーレーンを食いちぎるべく灰色狼=Uボートの大群を太平洋に放っていた。今や第三次大戦の焦点となった太平洋を押し渡り、日英協同対潜護衛戦隊(タイフーン)は北米の日英軍に物資を送り届けることができるのか。人気シリーズ、C・NOVELSに新登場。渾身の書下し。
昭和の始まりとともに出現した「流シ」の円タンは、増殖し続ける近代都市を自在に走り廻り、「モダン都市」東京を造り上げるメディアの一つとなった。しかし、流シは都市の「問題」として語られ続け、世の中が戦時体制へ傾斜するなかで、わずか十年ほどで消えていく。これは円タクを走らせたタクシードライバー達の記憶で構成する「モダン東京」円タク一代記である。
第三帝国の電撃侵攻は北米大陸の半ばを制した。西海岸に追い詰められた合衆国と、カナダで徹底抗戦を続ける日英の三カ国は密かに軍事同盟締結の可能性を探りつつあった。苦戦の友軍に向けた物資を満載して太平洋をわたるTV17船団は、さながら群狼に睨まれた羊の一団だった。Uボートの放つ船団攻撃用誘導魚雷が一隻、また一隻と輸送船を海の藻屑に変えていく。独潜の新兵器は、追いたてにかかった駆逐艦をも血祭りにあげて、暴風雨のように暴れ回る。エヴェレット大佐率いる日英共同対潜護衛戦隊タイフーンは、知力の限りを尽くして姿の見えぬ眼下の敵から船団を護ろうとするが…。
株式投資はワクワクする知的ゲームだ!2,000人以上の経営者を見てきたトップファンドマネジャーが明かす「会社診断の法則」一挙公開。
なぜそのスパイス・調味料を加えるのか、どんな効果があるのか。宝の持ち腐れにしない133の極意。
本書は、基本的にはデリバティブの知識を前提としてはいないが、金融・証券市場について日頃から強い関心を持っている人々を読者として想定している。ヘッジファンドに関する書物は次々と出版されるが、ノウハウや投資戦略など肝心の部分について明確な説明をしたものはなく、飽き足らない思いをしている読者は多いであろう。本書の中には、類書にはまったく見あたらない内容が多く含まれており、とくに資産運用ビジネスの関係者、金融機関のディーラー、一般企業の財務担当者などには、おおいに興味を持って読んでいただけるものである。