それぞれに問題のある3人の海軍軍人に、連合艦隊旗艦に出頭せよとの命令がとどいた。指令を発したのは、連合艦隊主席参謀・黒島亀人。黒島の目的は、情報収集のための特別偵察機部隊を組織することだった。陸軍の台東基地に送られた3人を待っていたのは、陸軍自慢の百式司令部偵察機。フィリピンに隠密偵察に出た百式司偵はロッキードP38とドッグファイトを展開、かろうじて勝利するが、着陸に失敗し乗機を失う。帰還命令を受けた3人の次の任地は横須賀・追浜飛行場だった。指令は、カナリアのごとくまっ黄色に塗られた新型機のテスト作業。試作機は十三試艦上爆撃機・彗星、その機を取り囲む人の輪の中心には、連合艦隊司令長官・山本五十六の姿があった。太平洋に飛び立つ彗星を待ち受ける運命は…。壮絶なる空戦を描く俊英の意欲作の登場。
私立探偵・鴨田英作のもとに、名器ストラディバリを護衛して欲しいという依頼が舞い込んだ。所有者は世界的に有名なヴァイオリニスト、辻真理。ところが、彼女の凱旋祝賀パーティ当日に事件が発生した。辻真理が演奏を開始した途端、“ダーン”という大音響が響き、最上席の中央の紳士が夥しい血を流して倒れたのだ。凶器は被害者の胸ポケットにあった小型ピストル。果たして自殺か、それとも…。鴨田英作と犯罪捜査用スーパーパソコン『ゼニガタ』が活躍する表題作他、警視庁のキレ者・フグハラ警部の名推理を描いた作品を収録した傑作短編。
本書は、計画行政の理論的基礎づくり、計画理論の創造に監修者と共に協力して挑戦した研究者達の最近における計画行政学的な思考やそれにもとづく計画理論の研究成果をしるしたものである。
ヴァルター・ベンヤミンは、「歴史の収集家」であった。商品・博覧会、写真、鉄骨建築など、「近代」という歴史の断片を拾い集めながら、技術と大衆の“進歩”と“繁栄”に彩られた近代という「悪夢」からの「覚醒」を試み、時代に対して厳格な「否」の態度を崩さなかった。ベンヤミン論に先導的な役割を果たし続ける著者により、十九世紀の“根源の歴史”を見据えたベンヤミン像が立ち上る。
名古屋弁護士会民暴委員会のメンバーを中心にして、暴力団等による民暴事件の実例をもとに、闘いの記録とともに被害救済の具体策や教訓を明示する関係者必読の書。マフィア化する暴力団の現状を明らかにし、現下の民暴対策の問題点、将来への立法論・制度論を鋭く提言。
第1巻「田村隆一詩集」から30余年、160冊の「現代詩文庫」から、次代に残す名詩をえりすぐった全篇解説付アンソロジー。
医療と死は切り離すことができない。医療は老いや死を治せない。死は医療幻想により病院に隔離されている。私達の死は病院や医者のものではない。地域でそして家で死ぬ満足死のための医療を。本書は、地域医療に従事する医師達が無意味・有害な医療から皆さんが離れることを提言する。
「VAIO」「AIBO」「PS2」など、新たなSONYブランドを創る男の発想と手法。
本書は、看護における戦略を医療経営の視点からとらえ、その方法を論じたものである。第3版では、最近の医療政策、そして診療報酬制度のポイントについて大幅に原稿を改めた。
ラファエル前派と印象派、19世紀末絵画は男と女の目の劇場。「性」が「視」演じる夢舞台、男憎しの罠に陥ち明日の見えないフェミニズム美術史に喝。
ふたたび結核が心配になってきました。平成八年から九年にかけて罹患率が四三年ぶりに増加し、結核患者数も三八年ぶりに増加したのです。この異例の事態に、平成一一年七月二六日、厚生大臣が「結核緊急事態宣言」を出しました。緊急に結核対策が見直され、対応策を検討していますが、その間隙を縫うように結核ははびころうとしています。空気感染をしてしぶとく生き残る感染症に対して、医療従事者だけでなく、一般の方がたも適切な知識を身につけ、対応する必要があります。本書は、結核についての知識の普及、啓蒙のために書かれたものです。
「日本の歴史」の真実は、今も「花鳥風月」に宿り続け、われわれがそれに気づくのを待っているのではないか。元「歴史読本」の名編集長が、風土への愛情を滾らせて書き綴った「心の文化遺産=花鳥風月」への道しるべ。
信長家臣団研究の第一人者の手による秀吉研究の決定版!織田家の小者から部将へ、そして信長後継者の地位を掴むまで、ひたすら任務に邁進し戦国を駆け抜けた秀吉。その怒濤の天下取りの軌跡を徹底検証。従来、後世に書かれた軍記物などを元に語られる事が多かった秀吉出世物語を、徹底した史料吟味で洗い直し、史実としての秀吉の戦歴を子細に抽出。人一倍の精勤さと人心掌握力、状況把握と集中力、それに強運までをも備えた稀代の出世人の実像を、歴史家の視点から描き直す。
2008年、海自高速ミサイル艇が襲撃された!!「有事」-!日本に対する新たな攻勢の準備を着々と整えるテロ勢力。洋上に築いた秘密補給基地から狙う次のターゲットとは?特偵隊リーダー高崎の読み、そしてテロ勢力の背後で蠢く謎の傭兵集団の思惑が交錯、対テロの戦いは、新たな局面に突入する!元自衛官の俊英が放つ、迫真の軍事サスペンス。
谷川俊太郎以降、戦後詩の風景を塗りかえた詩人たちの挑戦を、「現代詩文庫」160冊から選りぬいた全篇解説つきアンソロジー。
原子力の安全神話を消し去ったあの臨界事故は何だったのか。東海村・那珂町近隣の住民が語る「あの日のこと」から原発の街を内側から見つめる。巻末に事故が起きてから刻々の事態の推移を記録するクロニクルを収録。
科学とビジネスをどうつなぐか。これが、科学技術創造立国・日本の課題である。本書には、この課題に応える最新のサイエンスパーク…起業都市戦略が示されている。