本書は、日本英語学会会長、稲田俊明九州大学教授が2012年3月に定年退職を迎えることを祝し、氏と親交のある国内外の著名な研究者、教え子、同僚28名が寄稿した記念論集である。論文の内容は統語論・意味論・言語習得・心理言語学・認知文法・通時的研究の多岐にわたり、各領域の最新の動向を知るのに恰好の理論的、実証的な論考となっている。永年にわたる氏の「ことばとこころの探求」の成果となることを願って編まれた1冊である。
やんばる・奥の果樹園のシークヮーサーには驚くべき多様性が見られる。その背景には、異なる形質の果実に名前をつけ、意図的に維持してきた地域の人々の営みがあった。土地の「コトバ」、人々の「暮らし」、それを取り巻く「生きもの」の強固な連関を軸に、文化と自然が密に交感しながら多様性を育む様を明らかにするとともに、消滅危機に瀕する地域言語の継承問題にも焦点を当てる。
仏教思想は日本文化の中核をなしつつ、なおかつ他者として在るという二義性を持つ。この観点から著者は日本仏教で重視される用語や概念をインド・中国にさかのぼって精細に検証、受容と変遷の様態を明らかにすることによって翻訳文化としての仏教思想の核心を衝き、仏教が文化と社会を批判する原理となりうることを鋭く説く。
近代合理主義の思想的展開を跡づけ、前近代の人々の生活と調和した自然観を取り込んだ「エコロジー的世界観」の基本原理を明確に提示する。
“ダダ”や“シュルレアリスム”の呪縛からツァラを解き放つ。トリスタン・ツァラーそれは、「故国にあっては悲しき者」(ルーマニア語)の謂い。母語・ルーマニア語を捨て、異邦語・フランス語を用いつつ、どの地域言語からみても“異邦”たる「宇宙語」的な独自の詩言語に生きた詩人の創造の秘密に迫る。
中国で恋愛をうたうために生まれた歌謡曲を「詞」といい、作詞家を「詞人」という。女性詞人の最高峰が李清照。半世紀をこえて愛読してきた著者が、全作品に即し、魅惑にみちた李清照の生涯と芸術を、ここに見事に描ききった。附録の「詞詩一字索引」は斯界初出。
生活史の視点から環境問題に迫るヴィジュアル版「近代環境史年表」!自治体、企業、環境NPO、マスコミ関係者必備のデータベース。
60名に近い神学者・説教者たちの言葉を集めた、キリスト教説教学資料集。
音と文字で解き明かされる指導記録。青森県の中学校において生きいきと歌う感動的なクラス合唱を生み出し、「これがほんとうに普通の中学生の合唱か!」と国内外の指導者を驚嘆させた根城中学校女声コーラスを育てた竹内先生の25年にわたる実践記録を詳細に紹介する現場待望の書。
日本人の美意識のインデックス、歳時記。美と時間性に祝祭された、その詩的語彙は、世界の中でどのように使われているのだろうか。
研修医や非専門医が内分泌疾患の診療において打つべき「最初の一手ファーストタッチ」をQ/A式に手ほどき!「机上の指導医・専門医」とも言うべき頼もしい1冊!