チョムスキーの論文集’86〜’94。『チョムスキー革命』から40年、生成文法理論の新たな展開をさぐる。哲学、心理学、認知科学など広範な分野に一大潮流を巻き起こした「生成文法」は、いまだ進化しつづけ、さらなる発展を遂げようとしている。P&Pアプローチ、そして極小主義(ミニマリスト)プログラムへといたる、生成文法の最新理論に迫る。
本書では、日本語の要求表現の諸形式の状況的使い分け、平叙文の文末形式の話し手・聞き手の関与度による使い分け(関与表現の使い分け)に関して、実験結果に基づいてその様相を検討する。これらを聞き手への配慮と関連づけて論じ、他のタイプの言語行動も含めて、状況的諸要因がバリエーションに与える影響にどのような特徴があるのかを考察した。
第8巻は自閉症研究と実践のこの領域での、われわれの考えの進歩を反映している。1978年から2002年までに刊行された業績のうち8篇の論文が注意深く選ばれ、その著者らによる進展と達成の物語が読者に提供されている。かれらはそれぞれ異なった背景や理論をもっているが、しかしそのすべてが自閉症児にわれわれとのコミュニケーションを改善させるという共通のゴールをもっているのである。
本書は、認知言語学と言語類型論を統合する「認知言語類型論」(Cognitive Typology)の新たな研究プログラムに基づき、これまでの言語学の研究を根源的に問い直す、画期的な研究書である。認知言語学、言語類型論の研究者だけでなく、形式文法、言語教育、言語習得、テクスト・談話研究、等の言語学の関連分野の研究者にとっても必読の書である。
地球時代・世界時代に向けて、今ほど積極的対応が求められている時代はない。人類社会の中では、制度、生活様式、言語・宗教、技術など多様なバリエーションと価値系が存在するという文化相対主義的な視座からの、いわば“人類学的思考”による時代認識が求められているのである。本書は、第一線研究者による最新のフィールドワークの成果をもとに、トータルな「人間の学」としての人類学の拡がりを提示する格好のリーディングスである。
本書は何よりもまず前頭葉の解剖と線維連絡、そしてその事実と複雑なヒトの行動との関係について書かれたものである。本書の目的は、ヒトの前頭葉機能についての基本的な臨床神経学的かつ神経心理学的な情報を新しく集めても抜けている部分を補おうとすることである。
本書は辞書学・辞書編集上の論点の理論面と実践面の両方を調べ、その関係を考察する。辞書研究の領域では辞書の歴史、批評、分類法、構造、および使用に重点を置く。辞書作成との関係からはデータ収集とコーパス技術、定義の記述法と編集、提示、および出版というテーマに深い検討を加える。