本書は、認知科学や神経心理学を含む広い視野から認知言語学の発展に貢献されてきた辻幸夫先生が慶應義塾大学の定年を迎えるにあたり「認知言語学の未来」を見据えて編まれた記念論文集である。認知言語学が持つ学際性を活かし、構文研究や意味分析、比喩研究、社会言語学的考察、神経心理学的研究、哲学的アプローチ、言語発達・言語獲得・言語教育、理論的枠組みに関するものなど33本の論文が収められている。
「国語」とは自明の存在ではなく、近代形成期に創られた歴史的構築物である。その実相を、国語国字論争などのさまざまな政治文化的運動・論争から探り、「国語」ナショナリズム形成の場とその過程を明らかにする。
語用論やポライトネス研究の第一人者の最後の著書。ポライトネス研究のこれまでの流れを概観するとともに、コーパスのデータを用いて「謝罪」「依頼」「感謝」などの発話事象を具体的に考察、さらには語用論の研究方法やリサーチ方法についても解説する。随所に日本語への言及もあるので、日本の読者も興味を持って読むことができる。語用論やポライトネスの研究者に大いに役立つ一冊。
本書は英語教授法の源流を蘭語教授法に遡り、外国語教授法の歴史を明晰に論述した労作である。
摂食嚥下の生理学、診断と検査、間接・直接訓練、口腔ケア、地域の取り組み、誤嚥性肺炎に関して解説し、嚥下障害の手術、PEG、間欠的経管栄養、栄養学をトピックスとして取り上げた。また、日本とライフスタイルの共通点の多い韓国の嚥下食に関しても記述した。
独立時にはフランス語だけを公用語として選択した。安定した国家建設のためには言語は一つであること、フランス語が文化的・本質的に優れているから、と記録されている。そこから「言語戦争」は始まったーEUの要ベルギーを分断することばの壁。