ことばを交わす営みのなかで、私たちは実際には何を行っているのか?オースティンーサールとグライスによる二つの理論を解釈しながら、言語コミュニケーションの構造を事象に即して記述する方法を探る。
「語用論」が関わる問題は、言語の話し手としてわれわれすべてが日常生活で絶えず経験している事柄である。「寒いね」といって窓を閉めさせたり、「煙草持っていますか」といって煙草をもらったり、「まあ、お上品なこと」といって誰かの行為を暗に非難するーこれらはすべて「語用論」の取り扱う現象である。これらの現象に共通しているのは、“あることを言い(SAY)ながら、実は別のことを意味して(MEAN)いる”ということである。状況との関わりの中で発話の使用と意味を研究する「用語論」の最良の入門書。
新項目1,000語を加え、収録語数7万7千5百。「文法」欄を新設し、日本語を外からとらえる観点に立って文法事項について詳しく解説。「運用」欄では、待遇表現や使用場面によって帯びる意味など、運用面での諸相を簡潔に示す。形容詞項目を全面的に見直し、使用者の感性と合致させられるような語釈を示す。便利な「アクセント」表示と「かぞえ方」欄、豊富な漢字「表記」欄。
急速に脚光を浴びる分野となり、次第に重要性を増しつつある「語用論」。本書は、この分野を明晰にまとめあげた、現代望みうる最高の入門書。
本書は内容的類型学の出現の経緯をおおまかに跡づけ、その内容を主としてクリモフの所説について概観して、そのものの観方をもとにしてロシア語の諸現象を考察。また内容的類型学が生じてくる過程で、従来の表現の技法を取り扱う類型学が、形式的類型学として精密化しつつある過程を、主としてレヴジンの所説をもとに瞥見した。
本書は、ノンバーバル行動を実験的にとらえるときの方法論と、この分野がかかえている未解決の諸問題を提起するもので、二部構成にもとづいて、総論では、社会、動物、情動表出、臨床場面におけるノンバーバル行動について概観し、各論、動物の分野では、ニホンザルを例に動物の社会的行動研究の基本的パラダイムを示し、そして、各論、人間の分野では、ヒトのノンバーバル行動を構成する各要素についての興味ぶかい研究成果を問うていく。
ヒトの神秘、進化の不思議。壮大なスケールで贈る人類誕生の奇跡。サルからヒトへの歩みがわかるオールカラーのビジュアルな一冊。
本書の著者ミンコフスキーは、「現実との生ける接触の喪失」という概念によって、単なる臨床的疾患であることを超えた、ある特殊な〈病的な人間〉の人間学的把握をここに試みたのである。この概念は、自閉性から出立する。ミンコフスキーの本書は、その師ブロイラーを乗りこえた新しい理論を打ち立てたーL.ビンスワンガーとともに、哲学の援用を受けることによって、最近精神医学のパイオニア的役割を果たしたーばかりでなく、きめの細かい精神病理学的記述によって、精神分裂病の理解のための一般的案内書として、読書界にながい生命を持ちつづけている。
本書は、主として現代文法理論の概観と、日本語用言の格構造の解析からなっている。前者では、格あるいは格構造に焦点をおいて、現代の主要な文法理論を取りあげて、概観。後者では、結合価理論的にみた表層の言語表現と格文法などから生まれた深層の意味構造を結びつけた。