現代の思想・学問を成り立たせている抽象的言語の本質を追究した、言語論の古典的名著。
人類史上一大画期である文字の使用はどのように始まったのか。本書は最古の文字体系である楔形文字が物の受け渡しを計算・記録する小さな道具と出納簿から誕生したという大胆な仮説を提示する。それは数の認識・計算から抽象化へ、そして官僚制と権力の誕生へと人類を導く、大変革への一歩であった。人類の「書く」行為の原点にスリリングに迫る。
生物学的精神医学と精神病理学は、精神医学を支える二本の大きな柱である。本書では、著者が最も学問的関心を寄せる統合失調症の妄想論を中核として、幻聴の臨床研究、昨今の操作的診断に対するアンチテーゼから、ワイツゼッカーの主体概念についての考察など、日常臨床のフィールドを総合病院とする著者の境界的クロスカルチュラルな刺激的論考が展開される。現場からのフィードバックによる精神病理学的理解の深化により治療の場を構造化し、精神療法的面接技術を応用発展させることを目指した試みと言えよう。
収録項目数七万七千五百。「文法」欄を新設。判型・紙面を刷新し、いっそう見やすく。新「常用漢字表」に完全対応。形容詞項目を全面的に見直し。生きたアクセント辞典。便利な「かぞえ方」「運用」「表記」の各欄。さらに使いやすくなった巻頭の「漢字索引」。
古代エジプトからインターネット黎明期までの暗号史とさまざまな暗号の作成法および解読法を一冊に凝縮。
20世紀後半の言語哲学の主要なテーマであった固有名論。関連性理論など現代の語用論や形而上学における近年の成果を踏まえ、固有名の直接指示論を現代的にアップデートする!
物や人の動きを自然言語から読み取りコンピュータに解釈させることをめざして、「動き」の表現法を分析する。
紀元前二万年から五千年までのあいだ、私たちの祖先はいまにつづく文化・文明の礎を築いた。産業革命よりもダイナミックな変革がどのようにして起こったのか。西アジア、ヨーロッパ、南北アメリカの遺跡をつぶさに検討しながら、最大の謎に挑む。有史以前の世界をあきらかにする考古学者の挑戦。