松本言語学の出発点、古くて新しい「歴史言語学」の手法が鮮やかに提示される!ギリシア語の歴史と方言、および、リュキア語・ミノア文字・エトルリア語などギリシア語前のエーゲ海域の諸言語について考察。この分野の古典的文献についての書評・紹介も含む。
本書はエヴァンズ博士によるThe Language Mythの全訳である。ここでいうMyth(神話)とは根拠のない仮説が広まり通訳となったもの、とりわけ言語生得説や言語普遍説などを指す。筆者は、言語は独立した本能として存在するのではなく、実際の運用を通して文化的に学習・継承されるものであること、すべての言語を超越した抽象的な普遍文法なるものは存在しないことを、具体的な言語事実と最新の諸科学の知見をもって多角的に論証していく。
言語学とはいかなる学問でしょうか?人間だけがもつ「ことば」はさまざまな視点からさぐることができます。本書は、現代言語学の主要領域をカバーし、その楽しさ、奥深さを同時に体験できる、言語学・英語学を学ぶすべての人のためのテキスト。
英語学・言語学がまったく初めての一年生にも分かりやすく、英語言語学の全体像を紹介する。統語論、意味論、形態論、音声学・音韻論、語用論のほか、英語史、社会言語学、心理言語学の全領域をカバーし、最初の章から最後の章までがスムーズな流れで読み通せるような構成を工夫した。本文がやさしい英語で書かれていて、講義にも講読にも使える。内容の理解を確認するためのComprehension Checkと、本文の内容を深め発展させるためのExercisesを付け、学生の主体的な学習を促す。幾つかのExercisesでは、インターネットのコーパスを使って用例集めの練習をする。本文および関連事項を録音したCDを付け、耳からも理解を深める。
SVO言語のなか、唯一と言われるほど珍しく、名詞の修飾語がその前に来ている中国語の話。
公認心理師のカリキュラムにおける科目「学習・言語心理学」では、「人の行動が変化する過程」と「言語の習得における機序」を学ぶこととされている。本書では、このカリキュラムに対応したテキストとして、成長の基盤としての学習過程と言語獲得の仕組み、およびその障害について解説する。学校、家庭、職場、地域社会などの現場で公認心理師としての役割を果たす上での土台となる基本的な知見を、わかりやすく伝える。
一般に「慣用句」と認められるものは、構成語・文法・意味の面で「固定的表現」である。しかし、日本語と英語両言語の慣用句の中には、固定度が高い「典型的なもの」から、固定度が低い「周辺的なもの」までがある。また、日本語とその他の言語の慣用句の対応関係を明らかにするために、個々の構成語の「比喩性」を比較する従来の手法のほかに、それぞれの言語において共通の意味を持つ句の使い分けを手掛かりに、個々の慣用句間の共通点・相違点を明確にする手法が有効である。
母語と外国語、脳の障害や高齢化などの具体的な事例から、そのメカニズムを探る。
ことばや障害が原因となって社会的に排除される現象や、社会言語学として提示されているさまざまな記述を再検証し、さらに問題として認知すらされていない、ことばやコミュニケーションにかかわる諸問題を発見し、少数者/情報弱者にひらかれた新しい言語観を提示する。
本巻は、統語論、音声学・音韻論、形態論、意味論・語用論の各分野におけるインターフェイスをテーマとする4巻シリーズの第4巻である。意味論・語用論と文法化、言語類型論、歴史言語学、「視点(捉え方)」、子どもの言語発達、選択体系機能言語学、コーパス言語学とのインターフェイス(各研究分野間の相互作用)を、その歴史的背景から最新の成果まで扱いながら、分かりやすく紹介することを目的とした研究書兼概説書である。