人と人との相互行為はそもそもどのように成り立っており、それは人間社会の仕組みとどう関係しているのか。ラオスでのフィールドワークの成果を生かしつつ、記号論の枠組みを活用し「関係性」に焦点を当てることで、今日まで十分に接点が見出されていなかった記述言語学、会話分析、民族学、言語人類学、社会言語学、認知科学など多くの学問領域の統合をめざす野心的な試み。
性的少数者やデジタルネイティブの言語表現など現代日本に遍在する社会現象としての言語現象/リテラシー論やモジ論、敬語論など既存の言語記述・言語論がみおしてきた現実/関係者が無自覚なまま行使し支配されつづけるポリティクスに知識社会学的視座からきりこむ。言語現象・言語論の知識社会学的「解体新書」。
言語学の面白さ、ここにあり!世界の言語を眺めわたすと見えてくる風景とは?言語研究において問題となる重要なトピックとは?これからの日本語論に資する視点とは?言語学を志す人・言語を愛好する人にとっての、真に役立つ参考図書。
言語教育の教授法と指導理論。カリキュラム開発とシラバス編成。第二言語習得。四技能(聞く、話す、読む、書く)の指導法。コンピュータ支援言語学習。言語教育における教師教育。英文法と発音。言語テスティング、リサーチ・メソッド、基礎統計学。言語学概論:音韻論、音声学、統語論、意味論、形態論など。談話分析。社会言語学:言語社会学、コミュニケーション能力など。心理言語学:学習理論など。約3,500の項目を収録。最新の研究を反映させて約360項目を新たに加えている。
統語構造を地図(cartography)のように詳細に描き出すプロジェクト。カートグラフィーのプロジェクトが、どのように誕生し、どのような研究がどのような手法でなされるのか、さらには今後どのような発展の可能性を持つかについて解説。言語事実としては、英語を中心としながらも日本語やほかの言語にも目を配りながら、カートグラフィーの得意とする詳細な言語事実に焦点を当てられている。
あらゆる言語表現には話し手の認識や判断が含まれるが、その全体像を一貫した立場で明らかにしている言語理論は認知言語学が登場するまで存在しなかった。本書では、認知言語学が言語の問題と認知の問題をどのように結びつけ、どこまで明らかにできたのか、具体的に示している。
インド・ヨーロッパ語の文法観から自由になって、中国語の実相を素直に見直すための知的な挑戦へ読者を誘う6つの講演録。中国語文法研究の最前線をわかりやすく解説した名著『語法六講』が日本語で読める!
現代中国語文法学界の「謎」を認知意味論の観点から解明しようとしたフロンティア的な研究。
国内外の第一線の研究者たちが、生物言語学・生成文法研究の最新の展開を踏まえ、次世代の言語科学のための確かな道標となるよう書き下ろした15編の論文を収録。統語論、言語脳科学、言語獲得研究、言語心理学、言語進化研究などの多角的視点からこれまでの言語研究を問い直して新たな地平を切り開く、わが国では初の本格的な生物言語学論考である。
本巻では、言語間の社会・文化的側面を含む認知様式と言語機能に基づく認知類型論の観点から、自然言語の個別性と普遍性の問題を考察する。具体的には、名詞修飾構文、名詞化構文の機能拡張と両構文の機能的連続性にみられる変異、諸言語の認知的・語用論的な基盤に関する研究成果を概観する。また、ケース・スタディとして、受動構文の機能拡張と基本動詞の意味拡張にみられる言語間の変異を、理論面・実証面の双方の観点から体系的に分析する。
言語とは、思想とは、学問とは…。ことばと社会の中で格闘する異端の言語学者が、縦横にその自己形成の軌跡を語り、日本の言語学の戦後を問いなおし、現代の知的状況を照射する。