本書はシンガポールを事例として、多民族社会の中での言語と文化的アイデンティティの問題を、華人系シンガポール人の事例を中心に論じる。
社会から見ることば、ことばから見る社会。さまざまな言語の姿に焦点をあて、人間の言語能力が社会でどのように現われているか、その複雑な関係を明らかにする。
現代心理療法界における優れた思索者であり臨床家でもあるド・シェイザーの、その理論と実践が明らかにされる。心理療法において来談者(クライアント)が告げる「言葉」の深層は探る必要がないとする立場(反・ラカン/ソシュール)から、クライアントが語る「問題」とセラピストが引き出す「解決」の物語りの関係を通して新たな言語学を構想する。ユーモアを交えながら、本書の大半に及んで「解決」への具体的かつ詳細なセラピー(会話)を展開、「言葉」のもっている呪術的な力が明らかにされ、われわれを最先端の心理療法の術へと導いてくれる。
社会言語学は日本語を暮らしや社会との関係で考えることばの総合科学である。人と社会を見つめ直し日本語にふさわしい研究のあり方を解説するわかりやすい入門書。
言語学の知識をとおし、ドイツ語学を理解するための最良の手引き。
本巻では、ことばの感性的・身体的側面にかかわる能力、さらにはこの種の能力を含むより包括的な認知能力を基盤とする言語現象を、認知意味論の観点から解説する。メタファー、メトニミー、イメージスキーマ変換、参照点構造、主体化、意味拡張、スキャニングなど、これまでの形式・構造を中心とする言語研究では扱われていない言語現象を広範に取り上げ、体系的に解説する。
言語を書き表す体系としての文字について、その役割、表音文字と表意・表語文字、表音の種類、歴史、文字使用の心理、文字の社会言語学などを総合的に扱った文字の言語学の入門書。インターネットによって文字によるコミュニケーションが飛躍的に増えていることもあり、文字の実際的な重要性は増し、文字とそれによる書き言葉は、言語の本質に影響を与えるものと考えられるようになってきた。本書はこうした観点から、アジアの主要言語に通じた著者ならではの豊富な事例を挙げながら、現代の文字論をわかりやすく俯瞰する。
本書は、認知科学の諸分野において明らかにされた「カテゴリー化」に関する知見、とりわけプロトタイプ理論を言語分析に取り入れた認知言語学の概説書…メタファー、メトニミー、スキーマ、フレーム、スクリプト、認知モデル、領域、図と地、輪郭づけ、ランドマーク、トランジェクター、動機づけなど、従来の言語学にはあまり見られない概念が使用されている。…認知言語学は、このような認知一般とのインターフェイスに関わる概念とも深く関わりを持ちながら理論的整備が遂行されている点に特徴がある。
現代言語学の雄、エミール・バンヴェニストの代表的論文21篇を収めたものである。最近の言語理論に関する簡潔な展望からソシュールの歴史的意味、コミュニケーションの問題、構造と分析、さらに統辞機能、語彙と文化まで、現代の言語学をめぐる“諸問題”をあつかっている。
G.レイコフの認知意味論と、R.W.ラネカーの認知文法論を中心に、認知言語学の基本概念と最新理論を分り易く解説。認知言語学の基本的な考え方から最新の理論までカバーしているので、入門書としても、また、最新の理論の解説書としても最適である。