豊富な例と丁寧な解説で、ひとりでも読める言語学の入門書。大学のテキストとしても使いやすい全14章構成。言語学の基本的な分野に加え、社会言語学と心理言語学もカバー。各章末には内容理解を確認して発展的な学びにつなげるための「問題」と「読書案内」付き。5つのコラムでは興味深いトピックを解説。
言語学とマンガ学。一見、関連性が無いように見えるが、実はどちらも「視点」がキーワードとなっている。描かれたものを「どこから見ているのか」、「何が見えているのか」、マンガは、言葉だけで構成される小説よりも文字通り「一目瞭然」であるため、細やかな視点の分析が可能となる。マンガ学の理論を援用して言語分析を行う、その可能性を探るのが本書の目的である。
本書は、ヒトの言葉の意外な約束を、大量のイラストと「理科」のたとえ話を使って分かりやすくお伝えします。「生成文法」を初めて聞く方も知っている方も、なじめない方もくじけた方も、孟母の約束、関守の約束、姉の約束、鵜匠の約束といった比喩で示される約束が、本当に存在するかどうか確認してみてください。読み終えた後、ご友人やご家族に、物知り顔で話していただければ、さいわいです。「ねえねえ、こんなの知ってる?」
元トップアスリートと気鋭の言語心理学者。ことばと身体を専門にする2人が、「学び」とは何かを探る最高の知的探求書!
近年のAIの発達により、言語学も変革を迫られている。これまで不可能だったことがAIによって着実に実現されていく。言語学の課題はAIによってすべて解決されてしまうのだろうか。本書は、認知文法の研究者である著者が、言語理論を繙きながらディープラーニング以降の理論言語学および語学教育の在り方について提言を行う。AI研究と言語研究の共進化を目指して。
外国語など言葉にまじめに向き合おうと思ったら、避けて通れないのが言語学。だが、「音韻論」「比較言語学」「方言学」「言語類型論」など、言語学を学ぼうとすると押さえておかなければいけない分野は多岐にわたる。もちろんそれぞれ奥が深く、それを一朝一夕で習得することは困難だ。そこで本書では、言語学において知っておくべき事柄をキーワードごとに解説し、その全体像が一気にわかるように構成した。加えて読書案内もあるため、さらに学習しようとする人にもタメになる。古くて新しい入門書。
言語学習の動機づけは才能のあるなしにかかわらず変えることができる。考え方1つで、言語学習は、誰にとっても、楽しい、意味のあることになり得ることを、ユズルとシオンの成長とともに実感してほしい。
生成形態論の目標は、各種の複雑語を自動的に生成する体系の構築である。その一環として本書は、日英語の名詞化、形容詞化、動詞化の主要な現象を詳細に分析・記述した後で、記述的一般化を「分散形態論」の枠組みで理論的に説明する。即ち、語彙部門を解体し関連情報・操作を適所に最適に分散する機構から、範疇化の基本的・普遍的特性と語彙的・個別的特性を帰結として導く。「詳細な事実観察に基づく理論の構築」を主眼とする。
言葉の意味が変わってしまうのはなぜか。そのとき、何が起こっているのか?そもそも、「意味」とは何なのか。「自己」とは何か、「出来事」とは何かといった、哲学ではよく知られたさまざまな問題と交錯しながら考察する。
捉え方、メタファー、身体性、カテゴリー化、使用基盤。認知言語学の最重要概念を援用した英語指導デザイン。その効果を実験的に検証する本格的な応用認知言語学を志向する書。例えば第4章、ここには、英語法助動詞の指導デザインが示され、これによって、英語を母語としないロースクール学生の英語法助動詞の“繊細な使い分け”が格段に上達したという実験報告がある。実験では、認知的指導を導入したグループとこれを導入しないグループ(統制群)について、(指導前の)事前テスト、事後テスト、遅延事後テストを通して、可能な限り客観的に、認知的指導の有意な効果を検証するプロセスの詳細を見ることができる。