多文化「共生」が唱えられてすでに久しい。しかし「共生」の名のもとに、なにが行われているのか。マジョリティのいう「共生」はマイノリティにどう受けとめられているのか?ことばの問題を通して、「共生」の内実を問い、図式化され、消費される「共生」を救い出す試み。
例えば、日本語では「生」の意味として「黒」、韓国語では「青」が用いられる。日本=「目の黒いうち」/韓国=「目が真っ青に生きている」…近くて遠い、日本と韓国。物事の捉え方、生活・文化の違いをことばから探ってみる。
言葉遊びや隠喩・洒落・誤用など従来の言語学が「よけいなもの」として見過ごしてきた言葉の無意識的現象を分析して言語学の脱構築をはかる試み。
時の流れや社会規範によって姿を変える「ことば」。地球上にある何千種類もの言語、変化を続けるとらえどころのない対象の本質に、言語学はどこまで迫れたのか。ソシュールをはじめとした近現代の言語学の成果を検証、理論では説明しきれない言語の特別な性質をさらけ出し、グローバリゼーションの中で現代世界が直面する言語問題にも鋭く切り込む。
本書では、いかに人間が自由自在に世界を“カット&ペースト”しているか、また自由自在とはいいながら、背後にどれほどしっかりとした規則性があるかということを、人間の最も身近な身体から身の回りの空間、そしてその空間に位置するモノの切り分け方にしぼって、検証した。
第1部では、現代言語学の原点であるソシュールの言語学のわかりやすい紹介と、『一般言語学講義』とエングラーの校訂本を精確に読むことでソシュール論の核心をなすラングの本質を明らかにする。第2部では、やさしくみえても特異な文体のために時として不可解なサピアの『言語』を論理的に読み解き、印欧比較言語学の方法論を批判的に展開するサピアの言語史論の全体像を明らかにする。
言葉の表現で逸脱した用法が、かえって新鮮味をもち、新たな創造へのきっかけとなる。夏目漱石、川端康成などの近代作家の文例を、従来の文法規則論からではなく、認知言語学による新しいアプローチから考察する。
外国語を使っている頭の中では、一体何が起こっているのか?脳の働きや認知過程の解明を通して、バイリンガルの心の仕組みを探る。
外国語教育研究者に贈る知的興奮!バフチンの衝撃!!
「共生」の名のもとに、なにが行われているのか。多文化「共生」が唱えられてすでに久しい。しかし「共生」の名のもとに、なにが行われているのか。マジョリティのいう「共生」はマイノリティにどう受けとめられているのか?ことばの問題を通して、「共生」の内実を問い、図式化され、消費される「共生」を救い出す試み。
近代言語学の父ソシュールを、『一般言語学講義』を、そしてコトバのしくみを知るための最良の入門書。
言語とは何なのか、社会と言語、人間と言語はどのように関わっているのかーポップカルチャーやスポーツなど文化に関わる親しみやすい具体例を数多く収録し、そこから文化と言語のつながりを探る。社会言語学・心理言語学・言語人類学の研究成果をわかりやすく解説。
言語、自然、環境、社会、政策、文化。知的巨匠の広汎な活動の、端緒から現在に至るまでの発展の歴程を明瞭に一望できる“鈴木孝夫の世界”のすべてを盛り込んだ一巻。単行本未収載論考・エッセイ集。米寿記念図書。
1980年代から始まった認知言語学による比喩研究は、当初はメタファーを中心としたものの、その後メトニミー、アイロニー、シミリー、ブレンディング、文法構文、ディスコースへと研究対象を拡大するとともに、理論的枠組みを洗練しながら、コーバスや実験的手法など新しい研究方法を取り入れつつある。本書はそうした潮流を概観し、「「比喩的」とはどういうことか?」に答えることを試みた最新かつ最も包括的な概説書である。
比較認知科学や発達心理学における豊富な研究データをもとに、“Usage-Based Model(用法基盤モデル)”のアプローチから、子どもの言語習得のプロセスを明示する。子どもがどのように言語を習得するのかは、生得的言語モジュールを仮定するのではなく、一般認知能力に支えられた高度な学習によることを実証する認知言語学の最新の研究書。